ウルトラマンの話

コダラー&シラリー

2020年11月27日

この記事は2020/11/27に書いたものです。

コダラーの封印解けし時、天よりシラリー舞い降りる。

やがて第三の者目覚める。全ては再び闇に還らん。

-  滅亡の伝説 -

コダラーとシラリーはウルトラマンGに登場する怪獣であり、本作のラスボスを務める二大怪獣。

その存在は「滅亡の伝説」として太古から伝わっている。

登場回は共に第12話と第13話(最終回)。

伝説深海怪獣コダラー

(C)1990 円谷プロダクション 「ウルトラマンG」より

「深海に閉ざされし者」。

ずんぐりむっくりな亀を思わせる見た目をした愛嬌のある奴。海上と陸上の姿が違いすぎることで有名。

その名の通りに深海で眠っていたが地球の環境汚染によって復活した。その体には強力な毒を持つ藻が共生しており、藻が繁殖した海は生命の存在できない死の海と化す。

藻が繁殖していく一方で自身も海上で船を攻撃したり、上陸しての破壊活動を行う。その中で防衛チームUMA、そしてウルトラマングレートと交戦。

その愛嬌のある外見とは裏腹に、グレートの攻撃をものともしない防御力。一撃でグレートを昏倒させる怪力。更にグレートの光線を吸収し撃ち返すという特殊能力で完封し、グレートを倒してしまう。

グレートが敗北し絶体絶命のピンチを迎えるUMAだったが、コダラーが撤退したことで九死に一生を得た。

しかし、天空からはもう一つの脅威が迫ってきており・・・。

(C)1990 円谷プロダクション 「ウルトラマンG」より
こちらが海上のコダラー。君、さっきと違くない?

伝説宇宙怪獣シラリー

(C)1990 円谷プロダクション 「ウルトラマンG」より

「天空に追放された者」。

コダラーと同じく滅亡の伝説に記された怪獣。ずんぐりむっくりなコダラーに対し、こちらはスラッとした長身でドラゴンを思わせる見た目がカッコいい。

コダラーに呼ばれ地球へ飛来。その際、衛星軌道上で核ミサイルの攻撃を受けるも、核ミサイルの爆発にも無傷で、それどころか核爆発のエネルギーを吸収して地球へと降り立った。その為、動く核爆弾というかなりやばい代物となっている。

また、自身からは特殊な電波を発信しており何かと交信している様子が描かれたが相手は不明(状況的にコダラー以外ありえないだろうが)。降り立った地球では破壊の限りを尽くし、現地の街一つを火の海へと変えた後にコダラーと合流した。

「滅亡の伝説」

コダラーの出現と時を同じくして海底より発見された古代のプレートに書かれていた伝承。

プレートは特殊な金属で作られており書かれている文字は解読不能なものだったが、ウルトラマングレートと一体化しているジャック・シンドーだけは読み取る事ができ、ジャックが無意識の内に呟いたのが冒頭に記述した一文である。

なお、コダラーにはこの古代のプレートを狙う性質がある。

決着

コダラーとシラリーの合流地点で迎撃体制を取るUMA。二大怪獣を前にジャックは意を決してウルトラマングレートへの最後の変身を行う。

単体でグレートを圧倒する力を持つコダラーに加え、同等の戦闘力を持つシラリーまで加わり2対1の戦いに苦戦を強いられるグレートだったが、古代のプレートを狙うコダラーの特性を利用してUMAがコダラーを引き付ける。

そしてUMAがビームを発射→コダラーがそれを受け止めて反射→プレートがそれを跳ね返す→コダラーもそれを増幅して跳ね返すを繰り返した事でエネルギーを受け止めることができずにコダラーは爆発四散。戦いはグレートとシラリーの一騎討ちとなる。

両腕からのレーザー光線と口からの炎でグレートを追い詰めるも、トドメの一撃に放った鋭い嘴での攻撃を躱され、隙が生まれたところにグレートの二振りのレーザーブレード「グレートダブルスライサー」で首を切られた上に至近距離からのトドメの光線「パームシューター」を撃ち込まれた事で敗北。大量の核エネルギーを吸収していた事から亡骸はグレートによって地球の外へと運ばれた。

この時、グレートはジャックと分離しウルトラマンGの物語は幕を閉じる。

余談

企画段階ではコダラーは「クダラー」。シラリーは「シイラギ」という名前だったが、放送段階になって現在の名前に差し替えられたという経緯がある。このため原語版をよく聞いてみると「クダラー」、「シイラギ」と発言している。名前の元ネタはそれぞれかつて朝鮮半島にあった国「百済」、「新羅」(てことは「高句麗」由来の怪獣も考えられてたのだろうか)。

ウルトラマンGのOP映像は本編映像をふんだんに使っており、劇中に登場する全怪獣がOPで既に登場している。OP映像から今回はどの怪獣が登場するのか。という楽しみがあるニクイ演出だが、シラリーの出番はなんと一番最初。つまりウルトラマンGを見始めた視聴者が一番最初に見る怪獣なのである。OPの一番最初にドラゴンみたいなカッコイイ怪獣が出てきて「いつでてくるのかなー」と思っていたらまさかのラスボスだったことに当時の子供たちは大いに衝撃を受けた(実際に衝撃を受けたのが私です)。

コダラーの方もOP映像に登場しているが、映像ではグレートが光線を放つ→コダラーが爆発四散という流れになっており、コダラーはOP映像で毎回爆発四散している。この為、大した事ない怪獣と思っていたら実はグレートを倒してしまう実力者だった事に当時の子供たちは大いに(ry

グレートの変身方法は目を閉じての瞑想が基本だが、コダラー1戦目では人目を逃れるために急遽海に飛び込んで変身している。この為1戦目では瞑想をしていなかった事もあり「変身プロセスをすっ飛ばしたから普段より力を発揮できなかったのでは?」という説もある。

第三の者

「滅亡の伝説」にはコダラーとシラリー以外に「第三の者」という存在が出現する。

この第三の者の正体。それは

地球

である。

コダラーを目覚めさせたのも、シラリーを天空から呼び寄せたのも全ては人間の環境汚染に怒った地球の意思によるもの。滅亡の伝説の内容から察するにコダラーとシラリーの後に地球の意思によって更なる悲劇が起きていたのだと思われる。同時に彼らが人類に牙を剥くのは今回が初めてではない事が伺える。

幸い、今回はグレートと人類の連携によって地球の使者であった二大怪獣が倒された事で悲劇は未然に防がれたが、グレートと分離したジャックが語ったように人類はやり直すチャンスを貰っただけで許されたわけではない。今後どうなるかは我々次第だろう。

ウルトラマンが大気汚染のせいで地球に長くいられないと設定されるなど、環境問題を前面に押し出したウルトラマンGであるが、そのラスボスには地球の意思というこれ以上ない存在が置かれることになった。

ちなみに、後年の作品には地球の意思が生み出した2人のウルトラマンが登場する。地球が生み出したウルトラマンと地球が呼び寄せた滅びの化身が出会ったらどうなるか実に興味深いところだが今のところ共演はしていない。









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