ウルトラマンの話

ウルトラマンブレーザー 総括

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評価を一言で

めっちゃ面白かった。

蛮族

今作のヒーローウルトラマンブレーザー。

最初のPVの時点ではすごく神秘的な存在だったのに、いざ本編が始まったら初手でビルを駆け上るわ、ゴリラみたいな動きはするわ、雄叫びはあげるわ、初手で一目散に逃げたんで腰引けてないかこのウルトラマンって思ったのももはや懐かしい。

そういった野性的なムーブから早くも蛮族というイメージが定着していたw

蛮族ってウルトラマンから最もかけ離れたイメージと言っても過言ではないw

復讐の鬼になったハンターナイトツルギとかヤンキーみたいなゼロとか闇落ちしたベリアルとかで、ウルトラマンのイメージが壊れたなぁとか一昔前に言われていたと思うけど、まだ壊せたねウルトラマンのイメージ。

その後も釣りを始めたり、あっちぃ!!とか言い出したり、クレーンゲームを楽しんだりとやりたい放題。制作側も楽しかっただろうなぁw

でも、従来のウルトラマンと大きく違うイメージでありながら、人々やデマーガ親子の命を守ろうしていて、これまでのウルトラマンと全く違うけどやっぱりウルトラマンっていう絶妙だけど不思議な塩梅だった。

コミュニケーション

本作のテーマ「コミュニケーション」

人間とウルトラマン。隊長と部下。父親と息子。人と怪獣。営業マンと顧客。様々な形で描かれたコミュニケーション。

そして最終回でもコミュニケーションが非常に大きな意味を持った。作品のテーマをしっかり通しきったのも良かったね。

まぁ、ヴァラロン持って帰らなかったのはコミュニケーションとしてどうなの?と言いたくなったけどw

きっと一度起動したらV99でも止められないタイプの怪獣だったんだろう。うん。それならそれでその旨を断片的でいいから伝えてほしかったけど。

でも考えてみればこういった交流というのはこれまでのシリーズでも描かれてきた話でもあって、全く新しいテーマってわけではないよね。

これまでのシリーズでも常にあったものを改めて中心に持ってきたって感じかな。

新たな可能性

これまでニュージェネシリーズでは過去作怪獣、過去作ヒーローの登場が非常に多かった。

対してブレーザーは過去作要素が非常に少なく、とりわけ過去作ヒーロー要素が一切なかったのは驚いた。

過去作ヒーローが登場せず、変身アイテムや武器、必殺技にいたるまで過去作ヒーローが関わらないウルトラマンはニュージェネ初かな?

過去作怪獣も少しは登場したけど大半が新規怪獣で話が作られていて従来に比べて過去作要素が少ない作品になっていた。

これまでのニュージェネシリーズは過去作要素に支えられていたところがあるけど、そこから脱却して新規要素中心でも全然やっていけることが証明されたといえる。

決して過去作要素が悪いわけではないけど、10年近く同じ様な絵面が展開されてマンネリ化していたのも事実。星雲賞を獲得した10年に一度の傑作ウルトラマンZも一番最初の印象は「タロウの息子の次はゼロの弟子かよー」とか「まーたフュージョンかいな」って感じで、これまでの作品は最初の印象が「またそれ?」になることが多かった。

対してブレーザーは最初から「お?これは今までとは違う?」って感じだったからワクワクが半端なかった。

ある意味原点回帰なんだけど、それがマンネリ打破になったというのも面白い話で。

今後のウルトラマンはブレーザー路線でいくのか、過去作路線でいくのか、はてまた新しい路線を切り開くのか。

なんにせよ、凝り固まったニュージェネシリーズを打破して新たな可能性を生み出してくれたのは今後のシリーズ展開で大きな財産になったと思う。

しっかり結果も出しているし、財団Bも許してくれるだろう。

残された謎

結局V99ってなんだったんだろうねーというのもありますが、本作で残された何よりの謎。

ブレーザーって一体何者?

今のところ提示されている情報はM421という星の出身。ということだけ。しかもこの出身は本編の外で明かされたもので本編中では色んなものが一切不明。

前作のデッカーもその出生は劇場版で語られたので、ブレーザーも劇場版で語るのか、それとも謎のままにするのか。

考えてみれば初代ウルトラマンもM78星雲から来た宇宙人というのは語られたけど、それ以上の設定は第二期シリーズ以降で後付された物が多いし、初代ウルトラマンを意識するならブレーザーはこのまま神秘の巨人で終わるのかも。

隊長ウルトラマン

本作の大きな特徴の一つ。主人公が隊長でウルトラマン。

これまでは主人公、ウルトラマンは若手の隊員が多く、隊長はその導き手という形が多かったけど、今回は隊長が主人公でウルトラマンという新しい形が生まれた。

未熟な隊長が成長していく話になるのかなと思ったら、ゲント隊長はすでに隊長として十分な実績を持っている人で普通に隊員たちのまとめ役だったのも驚いだ。でもその代わりお父さんとしてはまだまだ未熟なところがあって、隊長としての頼もしさ、主人公としての未熟さ。これがいい感じに両立しているキャラクターだった。

その一方で気になったのが隊長がウルトラマンである必要がはたしてあったのだろうか。という点。

というのも私が最初に隊長がウルトラマンと言う話を聞いて思ったのが、隊長がウルトラマンに変身しちゃったら現場の指揮は誰がやるんだ?とか作戦中に隊長が音信不通になることが続いてしまったら部下の不信感に繋がってしまうんじゃないか。その辺をコミュニケーションで乗り越えていくのかなって思ってたけど、劇中では隊長が変身した事による指揮系統の乱れはまるで無かった。それだけ各隊員が優秀だったと言えるのかもしれないけど、そもそも隊長と連絡がつかない!っていうシーンが無かったように思うし、田口監督は隊長がウルトラマンでも話は成立するんじゃないか。って言ってたけど嫌な言い方をすると隊長がウルトラマンであることによる弊害、問題を一切描いていないような・・・。ある意味、ウルトラマン変身後はその人はいないモノ扱いするっていうのは伝統ではあるんだけど、全体のまとめ役になる隊長をいないモノ扱いしたら違和感出てきちゃうよね。

当然、ゲント隊長だからこそ部下たちとの交流やブレーザーとの交流が描けたわけで、この作品の主人公はゲント隊長以外ありえないんだけど、モヤッとした部分が残ったのもまた事実。

ガイアオマージュ

田口監督はニュージェネガイアは作らない。特に意識はしていない。でも、結果としてオマージュになってるところもあるかも。って言っていたけど、レイコって名前のアナウンサーが出たり、SKaRDや地球防衛隊がミリタリー色強めの組織だったり、地球を守るために地球怪獣が立ち上がったりでガイアっぽいなぁって思うところはあった。

なんだかんだ25周年のお祝いをしたいってところはあったんじゃないかなぁ。

今後期待したいもの

個人的な願望としてはエミとアオベ博士、参謀長も含めてアオべ家をもっと掘り下げてほしいかな。劇中でところどころ闇を見せているエミだし、飛び級でのMIT卒業や父親の失踪、MIT卒業後の特にやること無かった時期や防衛隊をクラッキングした話。彼女に過去には壮絶なドラマが隠されているに違いない。メイン脚本がゼットでヘビクラとジャグラーの入れ替わりを掘り下げた小説を書いた人だから、ここもそんな感じで明かしてくれないかなぁ。

当然、ブレーザーやV99の事ももっと明かしてほしいけど、ここは未知との遭遇やファーストコンタクト感を大事にするためにあえてわからないことが多い状態にしているような気もするから情報を出しすぎるのは野暮な気もする。だが個人的には私はもっとブレーザーとV99の事が知りたい!









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