ウルトラマンの話

作品紹介 ウルトラマンガイア

2017年9月14日

この記事は2017/09/14に書いたものです。

趣味で始めたウルトラシリーズ紹介も第10回を迎えることとなりました。
いやぁ、始めはすぐに飽きるかと思いましたが続くもんですねぇ・・・。
さて!今回はずっと紹介したかった!むしろ第一回をこいつにしたかった!でも最初に紹介しちゃうと後々が続かないだろうから第10回まで取っておいたウルトラシリーズ最高傑作(当社比)!
ウルトラマンガイアを紹介します!

今回は長くなります!おすすめエピソードもいつもより多めに紹介します!
©円谷プロダクション
引用元:ウルトラマンガイア メモリアルボックス [DVD]

概要

ウルトラマンティガ、ウルトラマンダイナに続き製作された平成ウルトラシリーズ第3作。
この3作品を平成三部作とか平成御三家と言ったりする他、各ヒーローの頭文字を取ってTDGとまとめることもあります。
同じ世界観で展開された前2作とは違い、今回は世界観を一新して今までのシリーズと繋がりのない世界を舞台として作品が展開されました。

ちなみに前作ダイナの予算がとんでもないことになってしまったので舞台を地球に戻すことで予算の削減を狙ったらしいです。
なのに、第一話では一億円をかけたと言われるほどの30分番組とは思えないクオリティの映像が作成されました。予算削減とは一体・・・。

私が子供の頃にリアルタイムで見ていた唯一のウルトラマンでもあります。

え?ティガとダイナはどうしたって?

いやぁ・・・あの頃の私はかなりのマセガキだったと思うのですが、周りの友人や兄弟が新しいウルトラマンやるんだって!ティガって言うんだって!と盛り上がる中、私は「やれやれウルトラマンなんてガキが見る番組じゃん。そんなので盛り上がるなんてみんなガキだよねぇ。」と思いながらティガとダイナを見ずにゲームボーイでポケモンをやっているような子供だったのです(そのくせ毎週金曜日のドラえもんとクレヨンしんちゃんを楽しみにしているガキだった)。

そんな私がある日気まぐれでガイアを見たところドハマリし毎週土曜日夜6時は兄弟とともに茶の間のテレビの前でウルトラマンを楽しみにしていたものです。

そんなガイアの最大の特徴。それはリアリティを重視していること。

そのリアリティへのこだわりを常に感じ取れるのが防衛チーム「XIG(シグ)」の存在でしょう。
©円谷プロダクション
引用元:ウルトラマンガイア第3話 / 「その名はガイア」
XIGの基地は男のロマンの空中要塞!
従来の、というか歴代の防衛チームといえば少数精鋭。どんな仕事もオールマイティにこなせる隊員達が状況に応じて臨機応変に対応するというのが基本でした。

対して、こちらのXIGは3人で一つのチームを編成した上で空戦チームが3つ、陸戦チームが1つ、海戦チームが1つ、レスキューチームが1つと分業制を採用。そのため、空戦の腕はトップクラスの絶対的エースパイロットなのに生身での射撃がド下手という人物がいたりします。それらのプロフェッショナルチームをまとめ、前線で指揮をとる前線指揮官(チーフ)が存在し、その上にXIG全体の指揮をとる司令官(コマンダー)がいるのです。コマンダーの直属の部下としてオペレーターチームも存在し、上部組織から参謀が出向しているといった具合で現実の軍隊の様な体制となっています(現実の軍隊がどんな体制か知らんけどね)。

その為、歴代の防衛チームが多くても8人ぐらいなのに対し、このXIGはレギュラー陣だけで25人という歴代でも最多の大所帯となっています。

その他、「状況に親族が関わる場合、その人物は作戦行動に参加できない」という規則があったり、(ウルトラマンに関わる事柄のため仕方ないとはいえ)報告を上げずに勝手な行動を繰り返した主人公をチームから追放するということもあったりと軍隊さながらの厳しさも描かれました。歴代主人公たちに謹慎処分が下ることは多々ありましたが追放したのは後にも先にもこのXIGだけです。ネクサスのナイトレイダーが追放処分を検討したことがあるぐらいですね。

ちなみにコマンダーを渡辺裕之さん、参謀を平泉成さん、チーフを宇梶剛士さんという豪華なメンバーが演じています。予算削減とは(ry

さて、追放されることなってしまう主人公高山我夢(たかやま がむ)。ウルトラマンガイアと一体化して地球を守る彼ですが、普段はコマンダー直属の部下として超常現象や出現した怪獣の調査、分析を担当するアナライザーという役目を担っています。
©円谷プロダクション
引用元:ウルトラマンガイア - 円谷ステーション
前線に出撃はするのですが戦闘するというよりは戦闘は他のチームに任せて分析結果を元に戦闘チームをサポートする立場で主人公の立ち位置としてはかなり珍しいです。そんな彼はこの世界において数多く生まれた天才児の一人という設定でなんと史上初ウルトラマンの変身アイテムを自作した他、XIGの基地である空中要塞エリアルベースや主力戦闘機XIGファイターの動力源にして浮遊装置であるリパルサーリフトを開発し地球防衛の戦力に多大なる貢献をしていたり、本来ならチーフの専用機であったXIGファイターEXを独自改造して自分にしか扱えない機体へとカスタマイズしてしまったり、そのXIGファイターEXに操縦もできるAIシステムを搭載し自分がガイアに変身した後も戦闘機を飛び続けさせることでアリバイを作れるようにしたりとその才能を存分に発揮しています。劇場版ではパラレルワールドに行くことができるロボまで自作してしまいました。

ちなみに変身アイテムにはギミックが一切なく我夢を演じた吉岡毅志さんは小道具を渡された時にセメントを塗るアレにしか見えなかったと語っており、これでは子供たちの人気を得られないと考えて少しでも変身にインパクトを残そうとした結果ウルトラマンの名前を叫びながら変身する、通称叫び変身をアドリブでやってみたところスタッフや子供たちにウケ今後の平成ウルトラマンでは叫び変身が主流となっていきます。

科学者らしく戦闘は苦手であり、迫り来る怪獣に対してビビりまくっていたり、ウルトラマンの身体能力についていくことができずイメージではもっとうまく戦えているのにと苦悩したこともありました。

そんな、我夢の前に立ちはだかるもう一人のウルトラマン。ウルトラマンアグルとその変身者藤宮博也(ふじみや ひろや)の存在もこの作品の大きな特徴です。
©円谷プロダクション
引用元:ウルトラマンアグル - 円谷ステーション
 藤宮は我夢にとって先輩ウルトラマンであると同時に、共に地球を守るために存在するウルトラマンなのですが藤宮は人類こそが地球を滅ぼす存在であると考え地球を守るためには人類を滅ぼすしかないと考えているため、人類も地球も守りたいと考える我夢とは対立する立場なのです。

今までウルトラマン同士の戦いとなると本物vs偽物か正義vs悪という構図になっていましたが、前述の通りガイアとアグルは共に地球を守るために戦う正義のウルトラマンであり正義vs正義の戦いが描かれ、ライバルウルトラマンという新しい立ち位置を生み出しました。
ちなみに劇中で明かされてはいませんがアグルの変身アイテムも変身者である藤宮のお手製でありギミックが全く無かった我夢の物に対してこちらは開くわ回るわとギミック満載でした。が、そのせいで変身シーンを撮影するときは画面外から小道具のスタッフがピアノ線を巧みに操る必要があり一人では変身できなかったと藤宮を演じた高野八誠さんは語っています。

このライバルウルトラマンという構図は大人気となり、対立の果てに二人のウルトラマンは悲しい決着を迎えてアグルはそこで退場となる予定でしたが、予想外の人気から復活が決定し共に地球を守る黄金コンビとなりました。
この二人のウルトラマンは史上初の地球出身のウルトラマンで、シリーズのお決まりである変身可能時間は3分間という制限がありません。地球人が地球で活動するのに制限があるのはおかしいですからね。胸のカラータイマーに当たる部分もライフゲージと呼ばれるもので、従来のカラータイマーが制限時間を示すものならこちらは体力ケージを示すものとして扱われます。この部分が弱点なのは従来通り。

余談ですが、我夢を演じた吉岡さんと藤宮を演じた高野さんはプライベートでは自他共に認める親友であり、高野さんはガイアの劇中で恋人役を演じた女優さんとご結婚されたのですが、その結婚式の司会進行は吉岡さんが務め、ガイア出演キャストも多数出席しておりガイアの後日談の様になっていたらしいです。

彼らウルトラマンとXIGの宿敵。それが根源的破滅招来体(こんげんてきはめつしょうらいたい)。

この名称は正式なものではなく地球側での便宜上の名前で、「破滅をもたらす者が招来する」という予測から名付けられガイア全編を通しての敵として立ちはだかります。その目的は地球人類を滅ぼすことであり数多くの刺客を送り込んできます。

ただ強力な怪獣を送ってくるだけでなく人類の科学を自分の目的のために利用したり、自分たちと全く関係のない怪獣を無理やり地球へ送り込み怪獣の防衛本能を利用して暴れさせたりと歴代でも屈指の狡猾さを見せる強敵です。

そのような強大な敵に立ち向かうガイア、アグル、XIG、そして地球怪獣達の勇姿が描かれます。

ちなみに本作のシリーズ構成を務めた方によると各脚本家に根源的破滅招来体がどういう存在なのかを明確には伝えず自分たちで想像しながら脚本を作るように指示していたらしく、それによって人類を滅ぼすための様々な手段が描かれることになり破滅招来体の狡猾さを演出するのに一役買っています。

特撮面ではティガ、ダイナに引き続きCGをふんだんに使用。主力メカであるXIGファイターは男の子の憧れにしてロマンの変形構造持ちで、その変形シーンやアクロバティックな飛行をCGで鮮やかに描きます。その一方でアナログ特撮の迫力にもこだわっており毎回の粉塵を拭き上げながらの着地はガイアを代表する名シーンとなっています(まぁ、この演出が初めて使われたのはダイナなんだけどね)。
©円谷プロダクション
引用元:ウルトラマンガイア第1話 / 「光をつかめ!」
リアリティへのこだわり。重厚な世界設定。ぶつかり合う正義のウルトラマン。そして今見ても色あせない特撮映像の数々。

このウルトラマンガイアはウルトラシリーズ最高傑作の名にふさわしい作品となっております。

ウルトラマンガイアはTSUBURAYA IMAGINATIONで全話見放題配信中です!

BD-BOXも好評発売中!私は予約して発売日に買いました!

ぜひ見てください!

ちなみに、全くの余談ですがウルトラマンガイアを愛する有名人にフィギュアスケート選手の羽生結弦選手がいます。

曰く、幼少期にフィギュアスケートに嫌気が差してスケートを辞めてしまおうと考えていたことがあったらしいのですが、ガイアの主題歌を流しながら滑ったことでフィギュアスケートの楽しさに目覚め競技を愛することができるようになったらしく、初めてプログラムを組んで滑った時もガイアのOPテーマを使ったそうです。
そうしてガイアに支えられた選手が世界に名を轟かせる名選手になったというのはなんとも感慨深いですねぇ。
未来の羽生結弦選手をめざす少年たちよ。偉大なる彼を支えたヒーローを是非見てみないか!?

ついでに余談ですが、その年に発表されたor放送終了したSF作品の中でもっとも優れた作品を表彰する星雲賞なる物が存在します。ガイアはその完成度の高さから受賞待ったなしと言われていたのですが、惜しくも受賞を逃してしまいました。
その理由は数年前にティガが受賞したので短いスパンで同じシリーズが受賞するのはレギュレーションに違反するから。だそうな。
ウルトラシリーズのクオリティの高さが仇になるとはなんてこった!

更に更に余談ですが、このクオリティの高さに感銘を受けたとあるハリウッド映画監督からハリウッドでリメイクしたい!というオファーが来たそうですが、映画に関しても自分たちで展開していくという方針を貫いた円谷プロによって実現はしませんでした。とはいえ、この頃のハリウッドで作られた日本発の映画作品といえばマグロ食ってるような奴の例があるのでこれに関しては残念だったような、実現しなくてよかったような。

INABA的おすすめエピソード 大盛

第6話「あざ笑う眼」

我夢がXIGへ入隊してしばらくたったある日、空戦チーム「チームライトニング」と「チームファルコン」の模擬戦が行われる。
若きエリートで編成されたライトニングと熟練のベテランパイロットで編成されたファルコンの対決は一進一退となり最後はチームリーダー同士の一騎打ちへ発展する。
しかし、その模擬戦の最中ライトニングの梶尾リーダーとファルコンの米田リーダーは山中に巨大な眼を発見。エリアルベースへ映像を送るもその眼はエリアルベースでは感知できず、あらゆるレーダーにも反応がなかった。
早速分析を試みる我夢であったが、自分の中にある知識、常識、科学。そのどれを使っても正体を突き止めることのできない眼を前に我夢は焦りと恐怖に囚われ無謀にも攻撃を指示してしまう。
指示を受けミサイル攻撃を敢行する両リーダーだったが、眼はミサイルを吸収するとそれを撃ち返して米田機を撃墜。米田リーダーは重症を負ってしまう。そうして眼は我夢をあざ笑うかのように姿を消した。
勝算のない無謀な攻撃を指示した結果、仲間が重症を追ってしまった責任を問われ我夢は謹慎を言い渡される。
失意のまま故郷へと里帰りした我夢。彼はこのままXIGから脱退してしまうのだろうか。

学生気分のままXIGへ入隊し、アナライザーとしての職務をこなしてきた我夢。そんな彼に試練の時が訪れるエピソード。
絶対の自信を持っていた自らの知識や科学が通用しない相手を前に恐怖から無謀な行動を取ってしまった我夢が恐怖を乗り越え成長する姿が描かれます。このエピソードで我夢は名実ともにXIG隊員になったと言えるでしょう。
ちなみに平成ウルトラ怪獣の中でも屈指のインパクトと人気を誇るガンQの初登場回でもあります。


第9話「シーガル飛び立つ」

レスキューチーム「チームシーガル」。その一員である松尾隊員は自分たちの出番が無いことを嘆き活躍したいと躍起になるも、リーダーである神山隊員は自分たちの出番がないということは人命に危機が及んでいないということだと諭す。
そんな中、東京に突如光る物体が墜落。レザイトと名付けられたその物体は超高熱を発しており、東京の地表がメルトダウンを起こし始める。地下にはガスのパイプラインが存在しており、メルトダウンした高熱の地表がパイプラインへ到達すれば周辺に甚大な被害が出てしまう。
すぐにレザイトを止めるべく作戦を開始するXIG。しかし、レザイトの落下の衝撃により半壊したビルには民間人が取り残されていることが判明し、チームシーガルへ出動命令が下る。
ついに自分たちの出番が来たと奮起する松尾だったが状況は悪化の一途をたどり要救助者の居場所さえ分からなくってしまう。絶望的な状況に打ちひしがれる松尾だったが神山リーダーはその状況でも諦めることなく、松尾に対しレスキューとは何かを語るのだった。

歴代防衛チームでも珍しいレスキューを専門に行うチームであるチームシーガルの初登場回にして主役回。辛いこと苦しいことのほうが遥かに多い人命救助の現場をリアルに描いた作品であり、作中で神山リーダーの語るレスキューの極意は多くの人の胸を打つこと間違い無しです。

ちなみにこの話が放送された後、本職のレスキュー隊員から素晴らしい作品をありがとう。という感謝の手紙が届いたそうな。


第25話「明日なき対決」

全てが滅び死の星と化した地球。当てもなく砂漠を歩く我夢。足を取られ躓いた我夢は何かに気づき足元を掘る。そこには光を失い砂に埋もれていく二人のウルトラマンの姿があった。
悪夢に飛び起きた我夢は自分の見た夢が何かの前兆のように思えた。我夢の不安を煽るかのように夜空では星の配列が歪む異常事態が発生していた。
一方、ウルトラマンアグルとの関係性を疑われXIGに追われる身の藤宮は逃亡生活の中でも人間の心許ない言動に触れ地球人類への嫌悪感を募らせていく。
藤宮の居場所を突き止め追いついた我夢は藤宮の行いを糾弾するも藤宮は自分のやっていることが地球を救う唯一の方法であると疑わず二人のウルトラマンの対立は決定的なものとなってしまう。
ガイアとアグル。ついに始まる二人のウルトラマンの「明日なき対決」。そして訪れる「決着の日」。

このエピソードは前後の話と合わせた長編エピソードの中の一話なのですが、ガイアとアグルの最後の決闘が描かれます。
ウルトラシリーズとしては異例となる怪獣も宇宙人も登場しないエピソードであるのは二人のウルトラマンの決闘だけというガイアだからこそ実現できたエピソードと言えます。


第32話「いつか見た未来」

ワームホールを自在に移動する怪獣エアロヴァイパーが出現。
迎撃のためチームファルコンが出撃。ワームホールへと突入していく。
その頃、我夢はこれまでのチームファルコンの行動に疑問を抱いていた。危険な相手、危険な任務を率先して引き受けるチームファルコン。我夢にはそれが死に急いでいるように見えたのだ。
チームファルコンは死ぬ気ではないかと胸騒ぎを覚えた我夢は後を追い出撃。ワームホールへと突入する。
ワームホールを抜けた先の世界。そこにはエリアルベースが墜落し、撃墜されたエアロヴァイパーの死体と相打ちになり爆散したチームファルコンの機体があり、時計が3時間進んでいた。
チームファルコンは自分たちの命をかけてエアロヴァイパーを倒し、エリアルベースは撃墜されるも自分たち以外の犠牲を出さず仲間たちを守り抜いていたのだ。エリアルベースに収納されたチームメンバーの遺体を前に立ち尽くす我夢。そんな彼の前に死んだはずのチームファルコンが現れる。
米田リーダーは語る。ここは3時間後の未来の世界。死んでいるのは未来の自分たち。自分たちが死ぬことでみんなが救われる未来。かつてXIGに入隊する前の米田リーダーは同じように自分が死ぬ未来を垣間見た。それ以降彼は常に死に場所を求めていたのである。
そんな米田リーダーに対し我夢は未来は一つではないと話すも未来は変えられないと米田リーダーは頑なであった。
その時、死んだはずのエアロヴァイパーが出現。その出現に驚くチームファルコンだったが、我夢はあれこそが未来は一つではない証明だと語る。
3時間後の未来でチームファルコンとエアロヴァイパーは相打ちとなる。エアロヴァイパーもまた自らが死ぬ未来を垣間見ていたのだ。そしてその未来を変えるべく様々な時空を飛び越えチームファルコンを探していたのである。
チームファルコンとエアロヴァイパー。己の死を見てしまった者同士の未来を変える戦いが始まる。

SFここに極まれりというべきエピソード。自分が死ぬ未来を知ってしまったが故に諦めていたチームファルコンが未来に立ち向かう姿が描かれます。そんなチームファルコンが運命に抗う決意をさせたのが登場怪獣のエアロヴァイパーの存在であり、エアロヴァイパーも自分の運命に抗うために戦っていたという展開がなんとも熱い私がガイアでイチオシしているエピソードです。


第35話「怪獣の身代金」

南極で氷河期に生息していたとされる怪獣アルゴナの卵が発見される。
輸送機にて研究施設へ送られる事になった卵だったが輸送機が東京上空に差し掛かった時、卵から発生した溶解液で輸送機に穴が空き、卵は空へと放出。パイロットたちは卵の後を追うことも叶わず墜落する機体から脱出した。
一方その頃。なんの関わりもない下町の町工場古田鉄工所では社長は昼寝。社員二人は元気に暇を潰していた。バスケに興じる社員二人だったがバスケットゴールに巨大な卵が落ちてくる。
これはダチョウの卵だよと断じる古田鉄工所の社員たちだったがテレビの報道によって自分たちの元にある卵が怪獣の卵であることを知る。
事実を知った彼らは不敵な笑みを浮かべるのだった・・・。
数時間後、卵を捜索していたXIGの元へ一通の脅迫状が送られてくる。
差出人はフルータ星人という宇宙人で脅迫状の中にはアルゴナの卵の写真も同封されていた。
紛失した卵はあろうことに凶悪な宇宙人の手に渡ってしまっていたのだ。
フルータ星人の野望を阻止すべくXIGは作戦を開始する。
果たして、フルータ星人とは何者なのか。わざわざ脅迫状を送りつけ自分たちの存在を明かした理由は何か。その目的は一体なんなのか。XIGは凶悪な宇宙人の野望を阻止できるのだろうか。

・・・とまぁ、シリアスっぽくあらすじを書いてみたものの、みなさんお分かりかと思いますがこの話は怪獣の卵を手に入れてしまった地球人の浅はかな悪巧みとそれを真に受け深読みをしてしまったXIGによるカオス空間が繰り広げられるガイア唯一のギャグ回です。
それでいてガイア作中で○○星人という言葉が出てきたのはこの話だけという。
リアリティ重視のハードSFであるガイアの中にもこういった話があるというウルトラらしいバラエティの豊かさはガイアにもあるのです。

ちなみにこの作品の担当脚本は太田愛さんです。

・・・なんでも書けるなこの人・・・。


第43話「銀色の目のイザク」

地球人たちが絶滅させてしまった地球生物たち。その罪を少しでも償おうと絶滅怪獣のクローン再生プロジェクトが発足。その第一号体として選ばれたのはアルテスタイガー最後の一匹、銀色の目を持つイザクと呼ばれていた個体だった。
実験は成功しイザクをクローン再生させることには成功したが、その直後に根源的破滅招来体が研究所を襲撃。イザクは破滅招来体に拉致されてしまう。
そして、破滅招来体はワームホールより怪獣を送り込んでくるがその怪獣からはイザクの生体反応が検知された。
破滅招来体はイザクを怪獣へと作り変え地球に送り込んで来たのだった。
イザクの目的。それは自分と仲間たちを滅ぼした人類への復讐。そう考えた藤宮はアグルへと変身。イザクが持つ人類への恨みを一手に引き受けるためサンドバックとなり、覚悟の上とはいえ重症を負ってしまう。
病院へと搬送された藤宮を見舞う我夢。しかし藤宮はイザクが人類を憎んでいるという考えすら人類の思い上がりだったと語り、戦うのを躊躇えばガイアもやられると我夢に警告する。
再びワームホールより送り込まれるイザク。迎撃のため出撃した我夢に石室コマンダーは語る。なぜ破滅招来体は怪獣にイザクの痕跡を残したのか。それは人類に怪獣がイザクだと分からせるため。もしイザクへの攻撃を人類が躊躇えば破滅招来体は同じ手を使ってくるだろう。迷いを振り切り我夢はガイアへと変身する。
絶滅させられ生き返させられ怪獣にされた。その中でイザクのたった一つの願いとは・・・。


現実世界でも人類が絶滅させてしまった動物は数多く存在します。このエピソードはその罪を真正面から問いかけたものです。絶滅動物を題材にした作品は多々ありますが、この話の特徴はなんと言っても絶滅動物側の視点が描かれること。これにより絶滅させた罪を償うべきではないかという論調を越えて償うという行為、反省すらも人類の身勝手な思い上がりの自己満足ではないかという疑問を投げかけてきます。是非とも道徳の授業で見せたい作品ですね。

ちなみにこの話の脚本家も太田愛さんです。

上の怪獣の身代金と同じ人です。同じ人です。

紹介動画

TSUBURAYA IMAGINATIONはコチラ!

ウルトラマンガイアも見放題!









-ウルトラマンの話
-, , ,