ウルトラマンの話

科学特捜隊

2018年2月19日

この記事は2018/02/19に書いたものです。

©円谷プロダクション 「ウルトラマン」より

概要

全てはここから始まった伝説の防衛チーム「科学特捜隊」。

ウルトラマンに登場する防衛チームであり、今後も続いていく防衛チームの元祖にして雛形とも言える存在です。通称「科特隊

防衛チームという枠組みが用意された理由としてはウルトラマンの前作ウルトラQでは民間人である3人組が毎回のように怪奇現象に巻き込まれておりドラマ面で不自然さがあったので、怪獣騒ぎに巻き込まれてもおかしくない立場として設定されました。

やってみたら思ったより便利だったのか今後のシリーズにおいても防衛チームは続いていくことになります。最近影薄いけどな!

劇中での設定

科学特捜隊の本部はパリに設置されており、世界各地に支部が存在しています。

日本には極東支部が存在しておりその中でムラマツキャップ率いるムラマツ班が物語の中心となります。他の班も存在は語られますが劇中では未登場。

科学特捜隊の上部組織は国際科学警察機構であり、「特捜隊」の名前からも分かる通り実は軍隊ではなく警察組織の扱い。主な任務は普通の警察では手に負えない怪奇事件の捜査と侵略異星人からの防衛となっており、巨大怪獣の戦闘は特別任務だったりするのです。劇中で怪獣との戦いに自衛隊が登場するのは怪獣との戦闘が科特隊の任務ではないので任せっきりにはできないという事なんでしょう。

極東支部は東京郊外に存在しておりカモフラージュは一切されていません。この為、敵の標的にされてしまうこともあり最終回においては壊滅的なダメージを受けることになってしまいます。

そのためか今後の作品では防衛チームの拠点はカモフラージュされたり海中や宇宙などに設置されることが多くなります。カモフラージュしないほうが被害が少ないことは秘密だ。

隊員紹介

ここで紹介しているのは物語の中心となるムラマツ班のメンバー。
他の班は未登場なので科学特捜隊といえば以下のメンバーのことを指す。なお、各隊員のフルネームが設定されたのは平成の時代になってから。

・ムラマツ・トシオ
ムラマツ班の隊長。通称ムラマツキャップ。
常に冷静に状況を判断し的確な指示を下す頼れるリーダー。
身体能力の高さは隊員の中でも群を抜いており異星人相手に素手で戦える他、磁力怪獣アントラー戦においてはアントラーを倒す鍵であるバラージの青い石を地上から放り投げ身長40メートルのアントラーの頭部に直撃させるという砲丸投げの選手も真っ青なことをやってのけた。
演じた小林昭二氏は日本の特撮を代表する名優で仮面ライダーシリーズの立花のおやっさんとしても知られている。
業界から見下されがちな子供向け特撮番組に対して人一倍情熱を持っていた人物であり、ウルトラマンにおいても「子供は大人よりごまかしが効かない。だからこそ手を抜かず真摯に演技しなければならない」と発破をかけていたことが共演者から語られている。
個人的に日本の特撮俳優と言われたら佐原健二氏よりも小林昭二氏が出てくる。

・ハヤタ・シン
「ウルトラマン」の主人公。キャップ不在時に指揮をとっている描写があり主人公でありながら副隊長格という珍しい存在。
地球に侵入した赤い球体と青い球体を小型ビートルで追跡していた時に赤い球体と衝突。これにより命を落としてしまうが赤い球体の正体であったウルトラマンと一体化することで救われた。これが地球人とウルトラマンのファーストコンタクトであり、彼は初めてウルトラマンに接触した地球人にして初めてウルトラマンと一体化した地球人である。ファーストコンタクトが交通事故って・・・。
最終回においてウルトラマンと分離した際に赤い球体と衝突してからの記憶を失っている描写がある。このためウルトラマンと一体化していた時の彼はウルトラマンが彼を演じていたのではないかとも言われている。
演じた黒部進氏は元々刑事ドラマや時代劇で悪役側を演じることが多くヒーロー役のオファーが来た時には「なんで自分が?」と驚いたそうな。

・アラシ・ダイスケ
極東支部きっての射撃の名手にして怪力の持ち主。イデの発明した新兵器の運用を任されることも多く、最終回でゼットンを仕留めたのも彼。
科特隊の任務には人一倍の責任感と誇りを持っており子供の書いた怪獣の落書きが宇宙線によって実体化した事件において「実体化する前に落書きを消してしまえばいいんですよ」と言うイデに対し「誇りある科特隊にそんな仕事ができるか!」と一蹴している。これについてはムラマツキャップもアラシと同意見だった。が、視聴者からすればイデの方が良い意見を出しているように思える。ZATなら間違いなく消しに行った。

・イデ・ミツヒロ
科特隊で兵器開発を担当する自他共に認める天才科学者。彼の生み出した兵器の数々はウルトラマンメビウスの時代において「人類初のメテオール(異星人の技術を用いた兵器)」と称され「天才のひらめきによるハンドメイドの品であるため量産不可能」であったことが語られている。よく分からんがすごいぞ!
そんな彼の兵器もウルトラマンの力には敵わず自分の科学力、ひいては科特隊の存在に意味があるのかと苦悩してしまったこともあった。
洞察力にも優れており隊員たちの中で唯一ハヤタがウルトラマンではないかと感づいていた(後年の作品では全員気づいていたという設定になっていることが多い)。

・フジ・アヤコ
ムラマツ班の紅一点。作品のヒロインだが主人公であるハヤタと特に何かがあるわけではなかった(好意を持っていると感じ取れるシーンはあるが明確にはなっていない。ウルトラシリーズで恋愛要素が出てくるのは次作のウルトラセブンから)。彼女だけは劇中でフルネームが語られていた。
普段は本部でオペレーター業務を担当していることが多く前線に出ることは少なめ。でもって彼女が一人本部に残った時に限って異星人が侵入して気絶させられたり、宇宙人に捕らわれて怪獣サイズに巨大化させられた巨大フジ隊員が怪獣図鑑に登録されるなど色々悲惨な目に会うことも多かった。

関係者、協力者

・ホシノ・イサム
科特隊本部に当たり前のように出入りしている少年。警備体制に物申したいところである。後年には一般人の少年に司令部まで潜入されたチームもあるしま、多少はね。
単なる民間人の賑やかしと思いきや彼の発言が怪獣を倒すきっかけを作ったり、宇宙人に捕らわれたハヤタを単身で救出したりと隊員顔負けの活躍を見せることもありムラマツキャップより正式に科特隊の隊員として認められた。規約的にどーなの?

・岩本博士
科特隊に協力する科学センターの所長でありジェットビートルを開発したのも彼。イデと並び数々の兵器で科特隊を支えた。
ゼットンにとどめを刺した無重力弾を開発したのも彼だが完成していたことを忘れて出撃する科特隊に渡しそびれるという失態を犯した。この失態がなければ最終回でのウルトラマンの敗北もなかったのではと言われてしまうこともある。

・友好珍獣ピグモン
元々は多々良島という怪獣たちが多数生息する島に生息していた怪獣の一体。怪獣と言っても人間ほどの身長しかなく、人間に対しても友好的で島で遭難してしまった調査員を匿って食料を取ってくるなどして助けていた。調査員救助のため多々良島にやってきた科特隊メンバーとも仲良くなるが、彼らを守るためにその命を散らしてしまった。
その後、死んだ怪獣を復活させる能力を持つ怪獣酋長ジェロニモンが怪獣たちを復活させて人類への復讐を企てた際にジェロニモンによって戯れで復活させられる。
復活したピグモンは人類の危機を伝えるべくジェロニモンの元から脱走し科特隊と合流。その恐るべき計画を伝えた。
これにより科特隊はジェロニモンに先手を打つ事に成功したもののピグモンはまたしても科特隊を助けるために命を散らしてしまう。
ピグモンの勇気ある行動に敬意を評しムラマツキャップは科特隊特別隊員の称号を与えて弔った。

主な装備

隊員服
普段は青いブレザーを着用しているが、出動時はブレザーを脱ぎオレンジの隊員服を身に付けている。オレンジの方が印象に残っている人も多いだろう。
要人護衛時や会見、会談ではブレザー。任務時は隊員服と使い分けておりブレザーは隊員服の上から羽織っている。
隊員服は宇宙服にもなりいつも使っているヘルメットと酸素マスクだけで宇宙空間に出ることも可能。明らかに素肌を晒している部分があるが大丈夫なのか?

・流星バッジ
科特隊のエンブレムの形をしたバッジ。科特隊の一員の証でありこれ自体が通信機でもある。
近年スマホと連動できるBluetooth送受信機として商品化された

・スーパーガン
小型の携帯拳銃。隊員の基本装備でレーザーを発射する。
単体では大した威力はないが3つの銃口を重ねて放つトリプルショットは怪獣を一撃で倒せる威力を持つがとても撃ちにくそう。

・スパイダーショット
大型の光線銃で主にアラシが使用した。
ビーム以外にも火炎放射も発射可能。

・マルス133
イデが開発したライフル型の光線銃。
ウルトラマンのスペシウム光線を元に開発されており理論上ではスペシウム光線と同等の威力を持つ。
地球に侵入した大量のバルタン星人を次々と打ち落すなど随所で戦果を挙げておりシリーズファンの間で語り継がれる伝説の武器である。

・ジェットビートル
主力戦闘メカ。
いわゆるVTOL機であり垂直着陸&離陸が可能。
大気圏内専用機だが追加装備一つで宇宙に出ることもできる。
ハヤタ役の黒部氏によるとコクピットのセットが非常に暑かったらしく上着だけ着て下はパンイチで撮影に臨もうとしたらパンツが見えてしまってNGになったらしい。

・小型ビートル
その名の通り小型の戦闘機で偵察任務を主としている。その形状から三角ビートルとも。
ハヤタがウルトラマンと交通事故を起こした伝説を持つ。後年の特集ビデオなどでもハヤタとウルトラマンの出会いのシーンで大体登場するので主力機ではないが知名度はそこそこ。

・特殊潜航艇S号
シリーズお馴染みの潜水艇。何気に第1話から登場している。
水中なのに炎を推進力にする謎のテクノロジーを搭載している。

・ペルシダー
イデが開発した地底戦車。大きなドリルは男のロマン。
後の時代に後継機が作られたが何故か名前がペルミダー2世になっていた。









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