ウルトラマンの話

適能者 -デュナミスト-

2018年3月3日

この記事は2018/03/03に書いたものです。

概要

適能者とはウルトラマンネクサスに登場する単語。読みは「デュナミスト」。

ネクサス第5話のサブタイトルにもなっている。

ウルトラマンネクサス劇中において適能者とはウルトラマンに変身できる人物の事を指しており、これが複数存在している事、適能者が主人公の孤門ではない事がネクサスの大きな特徴である。

適能者として選ばれた者はウルトラマンとして戦い、自らの生きる意味を見出すことで適能者としての役目を終え次の適能者へネクサスの光を受け継いでいく。

この事から適能者の条件は自らの命に意味を見出していない者とも考えられるが実際のところは不明。というか適能者は指名制で前適能者が選んだ人物が次の適能者となる。

とはいえ適能者には素質が必要らしく、劇中において適能者候補リストという物も存在していた。

サラリと書いているがウルトラマンとしての戦いは当然命がけの過酷なものであり変身時のダメージは全て適能者へ還元されるというおまけ付き。ダメージ回復の為の備えは用意してもらえるが戦いが激化しダメージが積み重なっていくと回復しきれなくなり消耗が激しくなっていくという悪循環に陥ってしまう。

ネクサスの力も適能者の状態に左右されるので満身創痍で気力を振り絞って変身した結果、ネクサスの状態で意識を失い倒れ込んでしまうという事もあった。

適能者が戦いの中で自分の生きる意味を見出すとその光でネクサスの力は強化されて次代へ受け継がれていく。そのため前半では苦戦の多かったネクサスだが後半では易々と戦いをこなせるようになっていった(放送短縮のせい?なんのことやら。というか姫矢さんだけ過酷すぎじゃありませんかね)。

ちなみに彼らが適能者となるのは夢の中。そこで現れた遺跡に触れることで適能者として光を継承することになる。遺跡の夢自体は誰でも見ることができるが普通の人は遺跡に入る前に引き返してしまい、夢の事も忘れてしまうらしい。この事からも適能者には条件があることが伺える。

以下 ウルトラマンネクサスと+αの作品の重大なネタバレを含みます。

登場した適能者達

中に登場したのは4人。彼ら以外にも適能者候補はいくつか存在していた。

ネクサスにはアンファスとジュネッスという二つの形態があるがジュネッスの方は適能者によって異なる姿、特性、能力を持つ。アンファスが基本でジュネッスが強化というよりはウォーミングアップからの本領発揮に近い。仮面ライダーでいうならカブトとかエグゼイドに近い感じ(サナギマンからイナズマンともいう)。

そしてネクサスは宇宙の守り神と呼ばれる「ウルトラマンノア」が力を失った状態の仮の姿であり適能者達が戦いの中で光を強化していくことでノアとしての力を取り戻していく。

姫矢 准(ひめや じゅん)
「光は絆だ。誰かに受け継がれ再び輝く。」
2人目の適能者。ジュネッスは赤。
クールでミステリアスな他人を寄せ付けない雰囲気を持つが根は熱い人。
元々は戦場カメラマンとして活動していたジャーナリスト。
とある紛争地帯においてセラという少女と出会い兄妹の様な絆を育んでいたが近くで戦闘が発生。姫矢はセラに避難するように言い渡して置き去りにしたまま現地へ向かいカメラマンとして仕事をする。が、戦闘地域に姫矢を探しに来たセラが迷い込んでしまう。そしてセラは流れ弾に撃たれ命を落とし偶然にもその様子をカメラで撮影してしまう。更に皮肉なことにその写真は戦争の悲惨さを伝える写真として高い評価を受け姫矢の名を世に知らしめてしまう。
この一件は自分が人の死を商売にしていた事を彼に自覚させ、セラの死も相まって大きなトラウマを残してしまい、逃げるようにカメラマンを辞めた彼は死に場所を探し続けていた。
ウルトラマンの力を得た事は自分に対する罰と考えておりウルトラマンとして戦い死ぬことが贖罪になると考えていた。
ウルトラマンとしての過酷な戦いの中での孤門との交流や精神世界で出会ったセラとの対話で自らの生きる意味を見出し、宿敵「ダークメフィスト」との決戦に臨む。そしてメフィストと共に光の中へ消えて行方不明になった。
が、最終回に登場し生存が確認された。
余談だが演じた俳優を検索すれば分かるがキナ臭いことになっておりシリーズでの客演は絶望的。

千樹 憐(せんじゅ れん)
「俺は生きる!生きて、この光をつなぐ!」
3人目の適能者。ジュネッスは青。
遊園地に住み込みでアルバイトをしている青年。人懐っこい性格で新たなウルトラマンの正体を探っていた孤門に自分の正体をあっさり明かしたり自分の監視のために送られた瑞生ともすぐに打ち解けたりと人を寄せ付けない雰囲気を持っていた姫矢とは間逆である。
そんな彼の正体は優秀な遺伝子を集めて生み出されたデザインベイビー、通称「プロメテの子」と呼ばれる存在の一人。
海洋学者を志しその分野で高い知識を持っているが、遺伝子欠陥から寿命が短いことが判明してしまう。
彼を救うためプロメテの子達は特効薬を生むための研究を続けていたが、スペースビーストの襲来により研究は打ち切られ、彼は残り少ない余生を生きることになってしまう。自分の存在が迷惑になると考えた彼はプロメテの子達の元を去り遊園地の住込みバイトとして生活していた。
このため「自分がいつ死んでもいい」と考えており、ウルトラマンの力に関しても残り少ない命を誰かの役に立てることができると好意的に受け止めている。が、その戦いはダメージを一切顧みないノーガード戦法であり、見かねた凪に威嚇攻撃で足止めされた事もあった。
そんな中、プロメテの子達が密かに研究を続けていた特効薬が完成。日本へと届けられるが時を同じくして最強のビースト「イズマエル」が出現する。治療よりもウルトラマンとして戦い抜くことを選び満身創痍になりながらもイズマエルを撃破。ネクサスと分離して病院へと緊急搬送された。
最終回において元気に自転車を乗り回しており自分の運命を乗り越えたと思われる。
ちなみにアンファス→ジュネッスの例えで仮面ライダーカブトを出したが、憐を演じた内山氏は同作品にて仮面ライダーザビーに変身しておりウルトラマンと仮面ライダーになった人物として知られている(平成ウルトラマンでは2人目)。
また、ウルトラマンでは生きる意味を見出していくキャラだったのに対し、仮面ライダーでは生きる意味を見失っていくという180度違うキャラクターを演じた。

西条 凪(さいじょう なぎ)
「生きる為に戦いなさい。たとえ明日がなくても。」
4人目の適能者。
対ビースト殲滅チーム「ナイトレイダー」の副隊長。
両親を目の前でビーストに殺された過去がありビーストへの強い憎しみで戦っていた。
最終回において憐から光を受け継ぐが同時に自分の両親の敵にして全ての元凶「ダークザギ」が目の前に出現。憎しみのままウルトラマンに変身した結果、光は闇へと転換されザギに奪われ完全復活のために使われてしまう。
この凪が光を受け継ぎ、それを闇へと転換させるという流れは全てザギの思惑通りに進んでいたことであり、彼女はザギが完全復活するための駒に過ぎなかった。
という経緯のため凪がウルトラマンに変身していたのは1分ぐらいであり、ジュネッスも登場しなかった。それでも単独で主役ウルトラマンに変身した女性は凪が初めてである(ウルトラマンエースに変身した夕子がいるがこちらは男性との合体変身)。また、凪が変身しているネクサスは女性の声になっており短い時間でも円谷のこだわりが光るシーンである。

孤門 一輝(こもん かずき)
「諦めるなぁー!」
5人目の適能者にしてウルトラマンネクサスの主人公。
ナイトレイダーの隊員で凪の部下でもある。彼がナイトレイダーに入隊したのもダークザギの完全復活の一環に過ぎず、凪の部下である彼をビーストによって苦しめることによって凪のビーストへの憎しみをより強いものにするという捨て駒に過ぎなかった。
実際にビーストによって苦しめられた彼は廃人になりかけてしまうが、姫矢や凪に支えられ苦しみを克服し、全ての適能者と関わり支えとなっていくというザギの思惑とは違う方向へ進んでいく。
そして最終回において闇に囚われてしまった凪を救うため自らも闇の中へと飛び込み救出に成功。
そこで凪から光を受け継ぎウルトラマンネクサス完結15分前にてついにウルトラマンとなりザギへと挑む。初戦の相手がラスボスという圧倒的不利な状況だが姫矢や憐と繋いだ絆により通常なら不可能な姫矢のジュネッスと憐のジュネッスを発動させるという奇跡を起こしながら善戦。
そして紡いだ絆と人々の応援の力でネクサスの真の姿であるウルトラマンノアへと変身し見事ザギを討ち滅ぼした。
他人のジュネッスになるという奇跡を起こしたが彼自身のジュネッスは不明のまま。本編終了後もノアの光は彼の元にあるらしい

真木 舜一(まき しゅんいち)
「パパの友達。子供の頃に憧れた銀色の流星だ。」
映画「ULTRAMAN」に登場する適能者にして1人目の適能者。病気の息子を持つ一児の父。
航空自衛隊に所属する戦闘機のパイロットだったが息子の側にいるために退官を選んだ。
退官を間近に控えたある日、謎の飛翔体に対してスクランブル発進。そこで飛翔体=赤い光と衝突してしまう。この赤い光の正体こそスペースビースト「ザ・ワン」を追って地球に現れたウルトラマンノアであり、真木を死なせないためノアは彼を適能者として一体化した。
事故による突発的な一体化だったため当初は不完全な変身しか出来ずザ・ワン相手に苦戦することになるが、息子を守りたい真木の思いから完全な一体化を果たしザ・ワンを討ち果たした。
自分が事故で巻き込んでしまった負い目があるのかネクサス本編では一切喋らなかったノアも彼に対しては労りや気遣いを見せて言葉を発していた。
彼と一体化していた時のノアは力の大半を失った「ウルトラマン・ザ・ネクスト」と呼ばれる状態であり、基本スペックでは他の適能者のネクサスに劣る。が、真木が自衛官という戦闘のプロであることから総合的なスペックでは他適能者のネクサスより強いらしい(さすがに本来の姿である孤門ノアには劣る)。

橘 さゆり(たちばな さゆり)
「諦めるな。あのウルトラマンがそう言ったの。」
「ウルトラマンX」に登場する防衛チームXioの副隊長。
ウルトラマンXにおけるネクサス客演回、第20話「絆 -Unite-」にて適能者となった。
異形の怪物スペースビーストの出現の際に現場へ出撃し、自らは瓦礫の下敷きになって行動できない状態で目の前には迫りくるビースト。更に国外に住んでいる家族の前には巨大怪獣という絶体絶命の状況に追い込まれながらも諦めず家族も救いたいという思いがネクサスを呼んだ。
その後はウルトラマンとしてエックスと共闘しスペースビーストを撃破してネクサスと分離した。その際主人公の大地にネクサスからの伝言を預かっていた。伝言の内容から察するにネクサス本編後の状態であると考えられるがどういう経緯でエックスの宇宙に現れたのかは不明。客演回でありながら新たな適能者が登場するというネクサスらしい客演である。女性で厳しい副隊長ということから当初より凪を思い出していたファンは多くXの登場人物の中では最も適能者にふさわしい人物と言える。
ちなみにこの第20話は話の全てにネクサスオマージュが盛り込まれており、スタッフもかなり気合を入れて作成されている。そのためネクサスというキャラクターではなくウルトラマンネクサスという作品を客演させたと称され高い完成度を誇る傑作となっている。
また、本編においてネクサスは一貫してウルトラマンと呼ばれていたためテレビ本編シリーズにおいて初めてネクサスの名前を呼んだ人物でもある。
彼女が披露したジュネッスは姫矢と同じ赤であったが、監督によると姫矢とは細かい所が違うらしい。ぶっちゃけ客演1回のために新規スーツを作るような余裕は円谷プロにはない!

最後にめっちゃ余談な上に空想

映画「ウルトラ十勇士」におけるネクサスは誰が変身したのか。というか適能者がそもそもいるのか。という事が議論されましたが、個人的にあのネクサスは「ダークメフィストとの決戦で行方不明になってから憐に光を受け継ぐまでの姫矢」だと思っています。

まず、ジュネッスが赤であることとメフィストを知っている事から姫矢か孤門のどっちかになるわけですが、孤門だとすればメフィストよりもファウストの方がトラウマでしょうからエタルダミーもファウストじゃないと不自然だと感じますし、なにより変身者が孤門だとすればノアに変身できるわけですからチートラマンと名高きノアがエタルガーに敗北してしまった事になります。

あたしゃそんなの認めないよ!!!

公式が敗北した可能性を示唆している?

知るか!!!

また、姫矢が行方不明になってから新たなネクサスが出現するまで少し間が空いていました。

この間にウルトラ十勇士の物語が展開されていたんじゃないかなと思っております。

つまり

姫矢ネクサスがメフィストを撃破。

疲労状態のネクサスをエタルガーが強襲。鏡に封印して拉致。
この結果、姫矢は行方不明となり新たなネクサス登場までに間があった。

ギンガ達と共にエタルガーを撃破して姫矢帰還。

そして光を憐へ。

こんな感じではないかと。

ついでにウルトラ十勇士でのネクサスの声が本編と違ったのも姫矢役の俳優さんのメタい事情により出演できないから代役を立てたとも考えられる。









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