アニメやゲームの話

コミックボンボン

2018年8月23日

この記事は2018/08/23に書いたものです。

©講談社

概要

コミックボンボンとはかつて講談社から出版されていた月刊の児童向け漫画雑誌。

現在は休刊中である。休刊だからね!廃刊じゃないからね!

事実上の廃刊だけどな。

かつては月刊の児童誌といえばこのボンボンと小学館のコロコロコミックの二大巨頭でありボンボン派とコロコロ派に分かれていた。

ザ・児童誌といった感じの漫画が多かったコロコロに比べると少し変化球というか凝った作品が多く、児童誌でありながら幅広い層のマニアを唸らせる漫画が多かった。

その為、ボンボンを読んだ子供はオタクになるとか言われていた。

あながち間違ってはいない。

主な掲載作品

著者である私の印象に残っている作品を上げていきます。

あー、この頃のボンボンを読んでたのねという事がよくわかるかと思います。

・ロックマンX
カプコンから発売されている同名のゲームシリーズのコミカライズ版。原作はアクションゲームでありストーリーはあって無い様な物だったが、原作の設定を活かしつつも独自の設定と解釈を盛り込んだドラマを作者の圧倒的な画力で書き込んだコミカライズ作品の傑作であり二次創作の完成形の一つ。ボンボンと言ったらこの作品を挙げる人も多い。

・ガンダム
プラモ漫画の金字塔「プラモ狂四郎」を始めとしたガンプラ漫画や騎士ガンダムなどのSDガンダムシリーズ、ドタバタ4コマギャグ漫画「フルカラー4コマ劇場」、「Gガンダム」「ガンダムW」「ガンダムX」などアニメ作品のコミカライズ、などなどあって当時はガンダムを読みたければボンボンを買えと言われていた。
現在でもガンダム漫画を描き続けているときた洸一氏とガンダムの付き合いもここから始まった。
「ゲームオーバーだド外道!」と「貴様は電子レンジに入れられたダイナマイトだ!」の元ネタもここだったりする他、末期には「あんたが正しいっていうのなら俺に勝ってみせろ!」という名言を生んだ。

・ウルトラ忍法帖
皆さんご存じ日本のヒーローウルトラマンを題材とした作品。
デフォルメされた歴代のウルトラ戦士が所属する忍者集団ウル忍と同じくデフォルメされた歴代の宇宙人と怪獣が所属する朧党の巻き起こすドタバタギャグ漫画。
なのだが、時折思い出したかの様にシリアス長編を展開する事もある。
その為現代の漫画好きからは「ウルトラ版銀魂」と言われる事もある。もちろんこっちの方が先。

・サイボーグクロちゃん
サイボーグに改造された黒猫のクロとその周りの人々を描くコメディ漫画。
が、連載中期に異世界でのシリアスな群像劇を描いた長編を展開してからシリアスな話も多く見られる様になった。
アニメ化もされたのだが放送中に製作会社が倒産して打ち切りとなり、映像ソフト化も進んでいたがソフト会社も倒産してしまいソフト化も途中で終わってしまったという悲しみを背負っている。

・真・女神転生デビルチルドレン
アトラスより発売された同名のゲームのコミカライズ作品。
子供でも親しみやすいメガテンを目指した原作、そこにコメディ要素を加えより明るく子供向けにしたアニメ版とは打って変わってメガテンらしいハードなストーリーと流血、欠損当たり前のグロテスクな表現が特徴。
その為ついた渾名は「児童誌版ベルセルク」。

・王ドロボウJING
狙った獲物は必ず盗みだす「王ドロボウ」ジンと相方の黒鳥キールの冒険を描いた作品。
ボンボン内でも人気が高くアニメ化やゲーム化もされた他、編集部の方針転換により数多くの作品が打ち切りにされた中で掲載誌を変える事で連載が続けられた。

・ロボットポンコッツ
同名のゲームのコミカライズ作品。
登場する女性陣が全員巨乳とか爆乳を超えた超乳でムチムチした体型となっており多くの少年の性癖を歪ませた。


ワイはロルよりマーシャルかなぁ(ボソッ

・へろへろくん
主人公へろへろくんを中心としたギャグ漫画。
独特のセンスとキャラ付けによって生まれた「濃い」キャラクター達のカオス空間に定評がある。
あまりにカオスすぎたためか「この漫画はギャグ漫画です。恐怖漫画ではありません。」と注意書きをした事がある。
NHK天才てれびくんの枠内でアニメ化されている。

召喚王レクス
当時展開されていたカードゲーム「大貝獣物語ザミラクルオブザゾーン」とのタイアップ作品。
漫画内でカードゲームを遊ぶのではなく、カードゲームの世界観を舞台とした冒険漫画というカードゲームのタイアップとしては珍しいスタイル。
世界観の掘り下げに大きく貢献しここから原作に逆輸入されたキャラクターや設定も多数ある。

・クロスハンター
ボンボンで展開された「史上最強のRPG計画」という読者参加型で意見を取り入れながらRPGを作る企画で生まれたゲームのコミカライズ版。
ストーリー、世界観、キャラクターのデザインから設定、更には漫画のコマ割に至るまでのあらゆる要素が他作品のパクリで構成されたボンボン史上最悪の黒歴史にして日本漫画史に残る駄作。同人などの創作活動をする際にクロスハンターは超えろと言われるほどの反面教師である。

でもそんなことを全く知らない当時の私は割と楽しく読んでました。

ちなみにゲームの方も史上最強(笑)といった出来で当時にKOTYスレがあったら大賞確実だったと言われるほどのクソゲー。

その終焉

幅広い年齢層に受け入れられ多くのファンを獲得していたボンボンだったが、90年代後半になるとその人気に陰りが見え始める。

そのきっかけとなったのがポケットモンスターである。ライバルであるコロコロはポケモンと全面的なタイアップを行いポケモンブームを巻き起こすことに成功。そこにミニ四駆、ハイパーヨーヨー、ビーダマンなどのホビーともタイアップすることで人気が爆発。発行部数もボンボンの3倍以上となる。

実はボンボン側にもポケモンとのタイアップは持ち込まれていたのだが、講談社はこれを拒否しており両者の明暗を分ける事になった。

2000年代に入るとカプコンからロックマンの次回作(後のロックマンエグゼ)とのタイアップを持ちかけられる。が、スポンサーは金がかかるからとボンボンはこれを拒否。結果としてボンボンの主力だったロックマンはライバルであるコロコロに奪われてしまう。

更に、強力な弾であったガンダムもボンボンではなく角川発行の漫画雑誌にて連載される様になりときた洸一氏も角川へ移籍。ガンダムの主導権も奪われてしまう。

そんな中で編集部の意向により読者人気を完全に無視した打ち切りが断行され読者に支持されていたボンボン特有の濃い漫画達が軒並み消滅してしまう。

この打ち切りについて当時の編集者は「児童誌らしくないマニアックな漫画を無くし本来の読者である児童向けの作品を充実させたかった」と語っているが、その「マニアックさ」こそが多くの読者を虜にしていたのであり、ポケモンやロックマン、ガンダムなどのコンテンツがない児童誌では劣化コロコロでしかなかった。

こうして主力と武器を失ったボンボンは衰退の一途を辿り、ついには休刊という名の事実上の廃刊となってしまった。

上記の打ち切りやロックマンのタイアップを断った他にも当時の編集は「どんな判断だ。人気をドブに捨てるつもりか。」と言いたくなる悪手を打ち続けており、ファンからも連載をしていた漫画家達からもボンボンを潰したのは編集部と言われてしまっている。

現在

休刊となってしまって久しいボンボンだが、ロックマンXやサイボーグクロちゃんなどの人気作の単行本が復刻販売されている。

またpixivにおいてコミックボンボンwebとしてひそかに復活の兆しを見せている。

気になる方は一度手に読んでみてはいかがだろうか。









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