ウルトラマンの話

朝倉リク

2020年4月12日

この記事は2020/04/12に書いたものです

朝倉リク

ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!

(C) 2017 円谷プロダクション 「ウルトラマンジード」より

朝倉リクとは特撮番組ウルトラマンジードの主人公であり、我らがウルトラマンジード。そしてウルトラマンベリアルの息子である。

演:濱田龍臣

劇中で放送されている特撮番組「爆裂戦記ドンシャイン」の大ファンであり、自らも正義のヒーローに憧れている少年。「ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!」が口癖であり信条。自らが変身する「ウルトラマンジード」というヒーローの名前もこの口癖から取られたものである。

物語開始の19年前、赤ん坊の時に天文台の側に捨てられていた過去を持つ。

本編開始時は個人商店の銀河マーケットに住み込みでアルバイトをしていたが、巨大怪獣スカルゴモラの出現によって住み込み先を失ってしまう。

行くあても無く途方に暮れていたが、ひょんな事からかつて自分が捨てられていた天文台の地下に秘密基地「星雲荘」がある事を発見。「レム」と名付けた管理コンピューターからジードライザーとウルトラカプセルを託されると光の巨人ウルトラマンジードに変身する力を手に入れた。

その後は星雲荘を拠点に、仲間達と共に怪獣や異変から人々を守るヒーローとして戦っていく事になる。

前述の通りウルトラマンベリアルの息子とされており。レムによる遺伝子検査によると「99.9%」の確率で親子と断定できる。との事。

ウルトラマンジード

(C) 2017 円谷プロダクション 「ウルトラマンジード」より

リクがジードライザーとウルトラカプセルを使用してフュージョンライズ(変身)するウルトラマン。

名前はリクの命名であり、前述の通りリクの口癖から取られている他、遺伝子を意味する「GENE」と運命を意味する「DESTINY」の頭文字を取り、運命の頭文字のDEをひっくり返して「GEED」。運命をひっくり返すというリクの決意が込められている(もっとも後者の方は後付けっぽいが)。

外見で目を引くのは従来のウルトラマンとは雰囲気の違う青いつり目。この目は父であるベリアルを彷彿とさせる物であり、二人の親子関係を否応にも意識させる。劇中においてもこの目によってベリアルと関係があるのでは?と民衆から疑われたり、ウルトラマンゼロからも初見でベリアルと誤認されてしまった。

一方で奇抜なデザインが続いていたカラータイマーはシンプルなものへと戻った。

地球上における変身時間はお約束通り3分。一度変身すると20時間のクールタイムが必要となる。また、テレビ本編ではウルトラカプセルが2つ無いと変身が出来ない。と従来作品に比べて変身に制約が多い。

変身口上は「ユーゴー!アイゴー!ヒアウィゴー!(各形態毎のコール)ジード!」となっている。明言されていないがこれもドンシャイン由来の可能性あり。

各形態紹介

プリミティブ

(C) 2017 円谷プロダクション 「ウルトラマンジード」より

使用カプセル「ウルトラマン」「ウルトラマンベリアル」

変身コールは「決めるぜ!覚悟!」

ジードの基本形態といえる姿。メインビジュアルなどに映ってるのもコレ。

M78星雲のウルトラマンを彷彿とさせる赤と銀のカラーにベリアルを意識した黒のラインが入っている。

基本フォームらしくバランスの良い能力となっており、爪をたてるような野性的な戦い方を見せる。

ソリッドバーニング

(C) 2017 円谷プロダクション 「ウルトラマンジード」より

使用カプセル「ウルトラセブン」「ウルトラマンレオ 」

変身コールは「燃やすぜ!勇気!」

パワーと防御力に優れたストロングスタイル。

外見はレオの面影が強いがセブンから受け継いだ宇宙ブーメラン「ジードスラッガー」を持つ。

各部にジードスラッガーを装着できるハードポイントがあったり、体内のエネルギーが蒸気となって外に噴出したりと、ウルトラマンというよりサイボーグのような印象を持つ。

アクロスマッシャー

(C) 2017 円谷プロダクション 「ウルトラマンジード」より

使用カプセル「ウルトラマンコスモス」「ウルトラマンヒカリ」

変身コールは「見せるぜ!衝撃!」

いわゆる青トラマン同士のフュージョンライズで青い体色を持つ。

アクロの名前の通りアクロバティックな動きを得意とするスピード型。コスモスの力を受け継いでいる為、戦う以外にも相手を癒したり大人しくしたりという力を持つ。

登場時の構えが「襖を開けている様に見える」とネットでネタにされ、「アクロフスマッシャー」なるあだ名がつけられた。

マグニフィセント

(C) 2017 円谷プロダクション 「ウルトラマンジード」より

使用カプセル「ウルトラの父」「ウルトラマンゼロ」

変身コールは「守るぜ!希望!」

いわゆる中間フォーム。ウルトラの父の様な雄々しい角が特徴。ウルトラの父とウルトラマンゼロという組み合わせは彼の父親であるベリアルにとって因縁の二人である。

使用されているカプセルの強さなのか前述の3形態を超える能力を持つ。

・・・が、12話で初登場してからわずか5話後の17話で最強フォーム「ロイヤルメガマスター」が登場。しかも13話は総集編だった為、この形態が最強だったのは実質4話だけ。しかもその4話も前後編で華々しい活躍が少ない上にロイヤルメガマスター登場後は出番もほとんど無くなってしまった不遇の形態

守れないぜ!出番!

ロイヤルメガマスター

(C) 2017 円谷プロダクション 「ウルトラマンジード」より

使用カプセル「ウルトラマンベリアル」「ウルトラマンキング」

変身コールは「変えるぜ!運命!」

ウルトラマンベリアルの強大な悪の力、ウルトラマンキングの強大な善の力。その二つの融合によって生まれた最強フォーム。

外見はキングの面影を残すがキングの特徴であるヒゲは無い。これは変身するリクの年齢的にヒゲは合わないとデザイン時に判断された為。

テレビ版では最強フォームとして大活躍するが、劇場版では一転して全く活躍できなかった。

ウルティメイトファイナル

(C) 2018 円谷プロダクション 「劇場版ウルトラマンジード」より

使用カプセル「エボリューションカプセル」

変身コールは「つなぐぜ!願い!」

劇場版で登場したジードの最終形態。いわゆる劇場版フォーム。

使用カプセルのエボリューションカプセルはリクの中から生まれたリクの光のそのものであり、今まで他のウルトラマンの力を借りなくては変身できなかった彼が初めて自分自身の力でウルトラマンになった姿である。リクが真のウルトラマンになった証ともいえる。

この形態のみ制限時間が存在せず、闘志が続く限り活動が可能とされている。

その正体

放送開始前から「ベリアルの息子」と言われていた彼だが、その正体が第11話にて判明する。

朝倉リク、そしてウルトラマンジードの正体はベリアルの遺伝子から作られた「ベリアルのクローン」であった。

事の発端はM78星雲でウルトラマンの力が込められたウルトラカプセルが開発された事。ベリアル復活の道を模索していたストルム星人「伏井出ケイ」はそのカプセルのエネルギーを使ってベリアルを復活させる事を目論んだ。しかし、ウルトラカプセルの起動には「人々がウルトラマンに対して強く祈る」事が必要であり、既に巨悪として名が知られているベリアルでは「人々が祈る」事はあり得なかった。

そこでケイはベリアルの遺伝子を使い、ベリアルのクローンを作成。そのクローンに対し自らが怪獣を仕向ける事でヒーローに仕立て上げウルトラカプセルの起動と回収の役目を任せようとしたのである。その為に作られたのがウルトラマンジード=朝倉リクであり、言うなればベリアルのクローンであり、「にせウルトラマンベリアル」とでも言うべき存在であった。

この事実が明かされた事でショックを受けたリクは、続くケイとの戦いに敗北。持っているウルトラカプセルも一つを除いて全て奪われてしまいウルトラマンに変身することも出来なくなるなど、心身ともに大きな傷を負うことになる。

僕の名前

「模造品なんかじゃない!」

「僕はリク! 朝倉リク!! それが僕の、名前だぁ!!」

自分の出生にショックを受けるリクだったが、そんな彼に「朝倉」という人物から手紙が届く。

手紙の住所を訪ねたリクを待っていたのは自分と同じく「朝倉」の姓を持つ朝倉錘だった。彼は19年前、捨てられていたリクが発見された時に街の町長を務めていた。親が見つからず戸籍もない赤ん坊に対し彼は自らの姓である「朝倉」と「陸」という名前を付けた。

「陸」。それは錘が亡くなった妻と考えた名前であり、大地に足をつけ、どんな困難に直面しようとも必ず立ち上がる。という願いが込められていた。

自らの名前の意味を知ったリクは名前に込められた願いの通り、再び立ち上がる。ここから彼はベリアルのクローンではなく「朝倉リク」という一人の人間として大きく成長していくことになる。

父ベリアルとの関係

「さようなら・・・父さん・・・。」

上述の通りにせウルトラマンベリアルベリアルとも言えるジードだが、ベリアル本人はジードの事を気に入っているらしく「息子」と呼んでいる。

一方、リクの方はベリアルの事を許せない悪にして倒すべき宿敵と考えていた。その為、劇中では「ベリアル」と呼んでいたが、最終決戦にてベリアルの抱える悲しみや憎しみを知り、それを受け入れて自らの手で決着をつけてからは折り合いがついたらしく、ベリアルの事を「父さん」と呼んでいる。

現在放送中のゼロとジードの特集番組「ZERO&GEEDクロニクル」では「ゼロの戦いを通じて父さんのことも知りたい」とベリアルの事をもっと知りたいという意思を示している。

余談

演じた濱田龍臣氏は子役の頃に映画ベリアル銀河帝国に出演している。ここではウルトラマンゼロと共にベリアルへ立ち向かう少年という役であり、ベリアルに立ち向かった少年がベリアルの息子を演じる事が発表された時は大きな話題になった。ちなみに、両作とも「ウルトラマンゼロの弟分で共にベリアルに立ち向かう」というところは全く変わってなかったりする。

濱田氏はウルトラシリーズの大ファンであり幼少期の夢も「ウルトラマンになる事」だったらしい。同じ夢を持つ少年は数多いるだろうが実際に叶えてしまったのだからすごい。ちなみに一番好きなウルトラマンは「ウルトラマンジャスティス」との事。

ウルトラマンジードの実年齢は19歳。何万歳、何千歳が当たり前のウルトラ戦士の中ではぶっちぎりの最年少である。今後もそうそう更新される事はないだろう。まさか自分より年下のウルトラマンがいるなんて・・・。とか思っていたら次回作では更に歳下のウルトラマンが登場したでござる。









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