ウルトラマンの話

ウルトラマンタイガ 感想

2019年12月28日

この記事は2019/12/28に書いたものです。

感想

いい作品だった。

(C)2019 円谷プロダクション 「ウルトラマンタイガ」より

ウルトラマンタロウの息子という設定を引っ提げて現れたウルトラマンタイガ。正直なところ初見の感想は「また息子か・・・」と思ったものですが(ゼロ、ジードに続き十年間で三度目)、先達とは父との関係や境遇などで差別化し違った魅力を持つキャラクターに仕上がりました。

タイガとチームを結成しているウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマの二人もタイガに負けない個性と魅力を持ち主人公が3人いるかの様なとても豪華な布陣となりました。というか、「ウルトラマンタイガ」で登場させないで「ウルトラマンタイタス」と「ウルトラマンフーマ」も作ってあげれば良かったのにと思うぐらい脇役にするには勿体なかったですね。この3人が一人の体に宿って状況に応じて交代するのも今までのシリーズではない新しい試みでしたね。

(C)2019 円谷プロダクション
 
生まれた星は違っていても
共に進む場所は一つ
我ら、トライスクワッド!
これなんて桃園の誓い?

そんな3人をより掘り下げ魅力を出す為に用意されたボイスドラマ。

グリッドマンで味を占めたな?と言われればその通りでしょうが、ウルトラシリーズって人間たちの掘り下げは度々するんですけどヒーローの掘り下げってあまりしないので本編では描けないところまで知れたのは良かったですし、キャラクターたちの魅力をより引き出してくれたいい試みと思います。

他の作品だったらドラマCDとかを買わないとわからないことをYoutubeで無料配信してくれた心意気に感謝です。

ぶっちゃけ本編より楽しみだったまである。

今回は本編のストーリーも凝っていて「地球に生きる宇宙人達の物語」

コスモスやエックスで怪獣との共存はテーマにしたことがありますし、ジードのペガの様に地球人と共存する宇宙人はいましたが、作品の根幹に持ってきたのは初めてでしたね。

怪獣とは違う共存の難しさ。お互いに「人」であるからこそ相容れないものは出てくる。それでも種族を越えて分かり合える。多種多様な「人」が生きてる現代の地球に問いかける物があるようでしたね。

GN粒子?それは作品が違う!

(C)2019 円谷プロダクション 「ウルトラマンタイガ」より
物語の中心となる警備会社「E.G.I.S.」
メンバーは左から地球人、アンドロイド、宇宙人憑きの地球人、宇宙人。
多種多様な種族が垣根を越えて分かり合える作品テーマの象徴。

そして今回も登場したいい悪役「ウルトラマントレギア」。

元々劇場版ウルトラマンR/Bにて登場した悪役で、そこでは撃破されずに生き延びていたので今後も出てくるんだろうなぁと思ったらまさかのテレビシリーズにレギュラー出演。元々劇場版R/Bで人気を博した悪役でいい悪役の実績を持っておきながら、ウルトラマンベリアルと同じくM78星雲出身で悪に堕ちたウルトラマン。しかもタイガの父ウルトラマンタロウのかつての親友というこれまたトンデモナイ設定を引っ提げての登場。

相変わらずの飄々とした言動と、いとも容易く行われる外道行為、そして地球観光を楽しんでいる様な振る舞いと劇場版R/Bそのままのいい悪役として大暴れでした。

悪役ながらも圧倒的なカリスマで後に続く者を得ていったベリアルと違って、最後まで孤高の悪役と差別化がされてましたね(まぁ、嫌なやつ過ぎて誰もお前を愛さない状態だっただけですが)。

しかしまぁ、R/Bのルーゴサイト、ギャラクシーファイト、タイガと登場してから1年で既に3作品の黒幕になっているとか何者だコイツ。

最後はタイガに旧友の面影を見て自分の光を感じながら倒れた。はたして彼に救いはあったのだろうか。というか今度こそ本当に死んだのか・・・?

(C)2019 円谷プロダクション
今回の悪役。
タイタス、フーマよりも先にS.H.Figuarts化決定!

毎度おなじみの特撮は今回もいつも通りの高クオリティ。

今回は走る電車の中から見るウルトラマンなど現状に満足せず新しい見せ方を模索してくれる姿勢はさすがです。

3人のウルトラマンのファイトスタイルも個性が出ていて正統派ファイトスタイルのタイガ、スピードファイターのフーマ、ひたすらマッスルを見せつけるタイタス(一人だけ何かがおかしい?戦闘になればマッスルを見せつけるはあたりまえだろう?)。

他にもタッコング回ではミニチュアがたこ一色になってたりといつも通り細かいネタも完備。特撮シーンはウルトラマンと怪獣の戦いに目が行きがちですが、ミニチュアに注目しながら見てみるのも面白いですよ。

その一方で気になったところといえば・・・

1,ウルトラマンタイタスの扱い

トライストリウムの登場後は完全にタイガの前座扱い。特にアリブンタ戦では相手の特性を掴み単独で追い詰めたのにトドメだけタイガに持っていかれるという有様。そのままタイタスで撃破してよかったのでは?

が、彼はまだいい方で・・・

2,ウルトラマンフーマの扱い

トライストリウム真の被害者。タイタス共々前座扱いだったとはいえ、トライストリウム登場後も怪獣を追い詰めたり、怪獣撃破シーンがあるタイタスに対してこちらはトライストリウム登場後に活躍した記憶がない・・・。

さらに放送後半にてボイスドラマで3人の過去編をやった時もタイガとタイタスは3話用意されてたのにフーマだけ2話とここでも扱いが悪い。

正直、トライスクワッドの設定が公開されたときにタイガだけパワーアップして他は前座扱いになるんだろうなぁ。とは思ってましたが大したテコ入れもなくマジでただの前座にするとは思わなんだ。

今までのフォームチェンジだったら最強フォームがあるんだから基本フォームの出番は減っていくよね。と納得できるんですが折角新しいウルトラマンを用意したのにこの扱いは流石に・・・。ウルトラマンXで上手いことノーマルエックスとエクシードエックスの役割分担をさせていた円谷プロとは思えない扱い方でしたな。

やるんだったら3人共パワーアップ用意。当初のコンセプトであった状況に応じてチェンジを最後まで貫いてほしかったですね。というか最終形態が合体というコンセプトが既に前作と丸かぶり・・・。

まぁ「春先にもう一回ぐらいパワーアップの機会」があるのでそこで期待したいですね。

3,ラスボス「ウーラー」

食欲に支配され星すら食いつぶす怪物。

これ・・・マガタノオロチ(ウルトラマンオーブのラスボス)の二番煎じでは・・・?まぁ、根幹は大きく違ったけど。

光線技を飲み込むっていうビジュアルもマガタノオロチで既にやったし、色々二番煎じで肩透かし感がひどい・・・。

50年以上の歴史を持つウルトラシリーズですからネタかぶりは普通にあるでしょうけど、ウルトラマンオーブは2016年。まだ3年前の作品なわけで・・・。最強フォームが合体という事も合わせて最近の作品からネタを引っ張ってこないといけないぐらいネタ切れなのか?と不安になってしまう展開でしたね。

4,設定の根幹にいる「ウルトラマンタロウ」の存在

これいる?

タロウの息子タイガ、かつての親友トレギア。と今作の根幹にいるウルトラマンNo,6ことウルトラマンタロウですが、本編でその設定活きてたところが少なすぎるような・・・。

闇に染まりウルトラの国を離反したウルトラマントレギアを追ってウルトラの国の若きルーキーウルトラマンタイガが地球へ向かう。って感じのストーリーでも十分できたのでは?

劇場版が「タロウvsタイガ」という構成になるみたいなのでようやく根幹の設定が活きそうですが、折角こんな設定にしたんだからもっとタロウを絡ませた方が良かったのではと思いますね。タロウも父や母に何度も助けてもらったわけですし。

結局タロウとトレギアに何があったのかも分からずじまいでしたし、そのせいでトレギアの目的も断片的に語られたのみで結局お前は何がしたかったん?という消化不良感が否めないですね。この辺も劇場版で解決するんでしょうか。

5,過去作の使いまわし&防衛チームの不在

これはこの体制から脱却しない限り永遠に言い続けるでしょうw

とはいえ、徐々に新規怪獣の割合も増えてきているのでいずれは脱却できると思っております。今作ではギマイラとタッコングといういままで再登場の機会がなかった怪獣が再び出てきましたしね。過去作怪獣を使い回すとしてもこんな感じで毎回同じ怪獣を使いまわししなければマンネリ感も無いのですが。

ただ、最近気になっているのは過去作怪獣の使い回しによって怪獣の「格」と言いますが強さが曖昧になってきているなぁという事です。

例えば、今作では「ギャラクトロンMkⅡ」に「デアボリック」と劇場版登場怪獣でジードやオーブが劇場版限定フォームや他のウルトラマンの力を借りてなんとか撃破できた強敵がタイタスとフーマにあっさり倒され、かと思いきや「デマーガ」、「スカルゴモラ」といったTVシリーズの初戦で倒された相手にはトライストリウムが必要だったりで、怪獣の強さと歴代ウルトラ戦士の強さがわけわからんことになってる気がするので過去作怪獣のご利用は計画的にお願いします。

こんなところですね。

ちなみに私は現在の2クール制については特に文句無しで、むしろ4クールやられると追うのが大変なのでコレぐらいで終わってくれると見やすくていいなぁと思っております。

そしてタイガの物語はまだ終わらない!

劇場版ウルトラマンタイガが2020年3月6日に公開開始です!

今回は「タロウvsタイガ」の親子対決に始まり、ニュージェネレーションヒーローズ大集合と大ボリュームな一作となっております!

来年3月は映画館へバディーゴー!









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