ウルトラマンの話

テラノイド/ゼルガノイド

2021年2月7日

この記事は2021/02/07に書いたものです。

テラノイド/ゼルガノイドはウルトラマンダイナに登場した機動兵器。

そして、シリーズ初の地球人の手で生み出された人造ウルトラマンである。

発端

ことの始まりはウルトラマンティガの時代に遡る。

とある科学者が密かに発見していた超古代の石像と自らの科学力、そしてウルトラマンティガの変身アイテム「スパークレンス」を利用して「人工的にウルトラマンになる」事に成功したのである。

しかし、このウルトラマンは科学者の闇の心に反応して闇のウルトラマン「イーヴィルティガ」となりウルトラマンティガに敗北。人間に戻った科学者は逮捕され、研究データは防衛チームGUTSの上位組織である「地球平和連合TPC」へと回収される。

このデータを元に立ち上がったのが「F計画」と呼ばれる人造ウルトラマン計画であった。

しかしこの後に発生した「ルルイエ事件」もあってウルトラマンの力を使うことを危険視したTPC上層部の意向でF計画は凍結された。

しかし、ウルトラマンダイナの時代になって地球はスフィアと呼ばれる地球外生命体の驚異に侵され、防衛チームをより軍事力を高めたスーパーGUTSに再編しても、地球防衛をウルトラマンに頼っている状況に陥ってしまった。

この状況を憂いたTPCのゴンドウ参謀にF計画の事がリークされたことで、再びF計画が動き出すことになる。

テラノイド

(C)2021 円谷プロダクション 「ウルトラマンクロニクルZ」より

上述の経緯で再び動き出したF計画は火星基地で密かに進められイーヴィルティガだった石像の破片とかつてウルトラマンティガと共に発見され、古代怪獣によって破壊された2体の石像の破片を用いて人工的に新たな石像が生み出された。

しかし、かつてのイーヴィルティガも光の力はティガの変身アイテムであるスパークレンスを奪うことで賄っていたように、器である石像が作られてもウルトラマンの力である光を生み出すことはできなかった

そこで、計画推進チームはウルトラマンダイナの力を奪うことを計画。ウルトラマンダイナの正体がスーパーGUTSのアスカ・シン隊員であると判明するという幸運もあって、アスカを拉致拘束しウルトラマンの光を奪うことに成功。人造ウルトラマン「テラノイド」は完成した。

地球防衛を不確定要素であるウルトラマンには頼れない。という事情があるにしても、防衛力強化のために最大の力であるウルトラマンを犠牲にするというのは本末転倒でしか無いような・・・。しかも、そのために拘束したアスカもTPCが守らなくてはならない地球人の一人であるわけで・・・正に手段が目的になってしまったパターンと言える。

完成と時を同じくしてスフィアの群体が火星基地を襲撃。これを迎撃すべくゴンドウ参謀はテラノイドを出撃させるが、出撃したテラノイドは

・動きがぎこちなく格闘戦は無理

・なので光線を撃つしかできない

・しかも自我が無いため、エネルギー消費を一切考えず光線を連発する

というあまりにもお粗末すぎる出来栄えであり、あっという間にエネルギー切れに追い込まれてしまう。なお、この時エネルギーの低下にゴンドウ参謀は驚いていたため、ウルトラマンのエネルギーは無尽蔵だと思っていた節がある。今までのダイナの戦いを見ていなかったのか・・・。

エネルギー切れで動かなくなったテラノイドにスフィアの群体が群がり寄生したことで、テラノイドはスフィア合成獣「ゼルガノイド」へと変貌してしまう。

ゼルガノイド

(C)2021 円谷プロダクション 「ウルトラマンクロニクルZ」より

上述の通り、テラノイドにスフィアが寄生したことでスフィア合成獣として変貌した姿。

元々テラノイドが持っていたダイナ並みのスペックに加えスフィア合成獣となったことで

・人間と変わらぬほどしなやかに動ける様になった。

・無尽蔵のエネルギーで光線を乱射できるようになった。

・知性を持ったことで状況への対応力が上がった。

と、テラノイドが持っていた欠点をほぼ全て克服し、まさにウルトラマンダイナと同等かそれ以上の戦闘力を持つ存在となった。人類最強の防衛兵器は人類にとって最凶の驚異となってしまったのである。

人類の防衛兵器では歯が立たたない。しかし、対抗できるウルトラマンは自分たちが犠牲にしてしまった。絶望的な状況に諦めるゴンドウ参謀だったが、光を奪われたアスカが最後の力を振り絞ってウルトラマンダイナに変身。ゼルガノイドに立ち向かう。

しかし、元々光をほぼ全て奪われているという病み上がりとか満身創痍とかそういうレベルじゃない状況での変身だったためダイナはまともに戦うことができない状態であった。

そこでスーパーGUTSのユミムラ・リョウ隊員は「人の生体エネルギーが光となるなら、人の命を光とすることでダイナのエネルギーを復活させることができるのではないか」と提言。自らの命を捧げてダイナを復活させる作戦を実行しようとする。その覚悟を受け取ったゴンドウ参謀は強引にリョウからその役割を奪い取ると自らの命と引き換えにダイナに光を与える。そうして復活したダイナによってゼルガノイドは破壊された。

しかし、このゼルガノイド事件はこれから始まるスフィアとの最終決戦の序章に過ぎなかったのである・・・。

補足

これまでも宇宙人によってウルトラマンと同等の力を持つ存在が作られたことはあれど、このテラノイドは地球人が(素材は超古代の遺産だけど)地球の科学で生み出した人造ウルトラマンというシリーズ初の快挙を成し遂げた存在です。

一方で満を持して完成した人造ウルトラマンは欠陥品としか言いようが無く、それどころか敵に利用されるという体たらく。過ぎた力を求めるとろくな事がないという証明になりました。この後もウルトラマンの存在を模して作られた存在は度々登場しますが、良い結果を生んだのはウルトラマンジードぐらいであり、大体ろくでもない結果を生んでおります。そのジードも創造主の意志には反して動いていたというのがなんとも・・・。

テラノイドの開発を主導したゴンドウ参謀。劇中において嫌われ者な人物として描かれF計画を推進した手法は強引でしたが地球を守りたいという想いは本物で、ウルトラマン列伝にてウルトラマンゼロからも地球を守る戦士であると認められております。

2020年の新作ウルトラマンZにて人造ウルトラマンが登場したことで、Youtubeで行われていた応援放送にてこの回が放送。2021年にはソフビの発売も決まるなど現代でも知名度が上がっております。









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