ウルトラマンの話

イーヴィルティガ

2021年3月25日

この記事は2021/03/25に書いたものです。

つい先日。Twitterで個人的に許せないことがあったので今回はイーヴィルティガのお話。

イーヴィルティガ

(C) 1996 円谷プロダクション 「ウルトラマンティガ」より

イーヴィルティガはウルトラマンティガに登場するウルトラマンの一人。

ティガの偽物ではない。

ティガの偽物ではない。

大事な事なので2回言いました。

登場回はウルトラマンティガ第44話「影を継ぐもの」。

天才物理学者にして宇宙開発企業「サイテックコーポレーション」の最高責任者マサキ・ケイゴが超古代の石像を利用してウルトラマンとなった姿。

その容姿や名前から「にせウルトラマン」と扱いされることが多いがこれは間違い。ティガに似ているのはイーヴィルティガもまた超古代の戦士、つまりティガの同族だからであり別にティガの姿を真似たわけではない。劇中でも偽物呼ばわりされ、イーヴィルティガなどという如何にもティガのパチモノみたいな名前をしているが、これはウルトラマンといえばティガしか知らない地球人が「ティガにそっくりな自分たちの敵」ということで便宜上付けた名前であり彼の本名ではない。

彼自身はれっきとした一人のウルトラマンである。イーヴィルティガを偽物呼ばわりすることは後にこの地球に現れたウルトラマンダイナをティガの偽物と呼んだり、別の宇宙ではウルトラマンジャックをウルトラマンの偽物と呼んだりするのと同じである。

また「悪のウルトラマン」の先駆けでもあるが、彼自身は超古代の光の戦士であり、悪に染まったのも変身者であるケイゴの邪な心に引っ張られていたからである。そのため「イーヴィルティガ」は悪のウルトラマンと言えるが、「彼」自身は正義のウルトラマンというなかなか複雑な状態。これも平成三部作における「ウルトラマンの力は変身者に委ねられる」という原則に則った演出といえる。

変身者マサキ・ケイゴ

天才物理学者にして宇宙開発企業「サイテックコーポレーション」の最高責任者なのは前述の通り。主人公マドカ・ダイゴと同じく超古代の遺伝子を受け継いでいる人物であり、ダイゴと違いその事を自覚していた。このため独自に超古代文明と光の巨人について研究しており、その中でウルトラマンは「人類の進化を導く神」であると考え、自らが「神」になるという歪んだ野望を抱くようになった。

そして、ウルトラマンティガの変身者であるダイゴから変身アイテム「スパークレンス」を強奪。自らが発見していた巨人の石像とスパークレンス、そして自らの科学力で開発した光遺伝子コンバーターという機械を用いることで人工的にウルトラマンと融合することに成功した。

劇中での活躍

変身したケイゴは「神」となった自らの姿を人々に晒しながら、事前に録音していた演説を世界に向けて発信する。しかし、ケイゴの邪悪な心では巨人の力を制御することができず暴走。街を破壊し始める。結果、自らが神となったことを高らかに語りながら、力を制御できずに街を破壊するという実に滑稽な姿を晒すことになった。

暴走してしまったイーヴィルティガを止めるべく、かつてお供であった怪獣ガーディも目覚め涙ながらに主人を止めようとするも想いは届かずガーディは惨殺。

その後、スパークレンスを取り戻し変身したウルトラマンティガとの決戦に突入。光線の撃ち合いなどを演じながら終始優勢に立ち回っていたが、最後はティガに敗北。元のケイゴの姿に戻り、石像は消滅。ケイゴはそのままTPCに拘束される。

こうして、ウルトラマンを利用しようとした人類の計画は潰えた。

(C) 1996 円谷プロダクション 「ウルトラマンティガ」より
CG技術により実現したぶつかり合う光線

余談

これまでウルトラマンと人間の融合。そして変身はウルトラマンから齎されたシステムであり、特にウルトラマンティガにおいてダイゴとティガの融合は魔法とか奇跡とかの超常現象に分類される物である。このイーヴィルティガはその「奇跡」を科学的に解明して「システム」に落とし込むことで「人工的にウルトラマンになる」という快挙を成し遂げた存在である。

ちなみに、ケイゴが作り上げたこのシステムは最終回においてケイゴと共に大きな役割を担うことになる。

イーヴィルティガのスーツはティガの改造品・・・ではなく、新造のスーツである。

製作陣の中にもティガのスーツの改造でいいよね。という意見があったようだが、シナリオ的に非常に重要な敵であったために新造して欲しいという意見が押し通されたとの事。歴代のにせウルトラマンは劣化した本物のスーツを改造するのがお決まりであるので、新造のスーツが作られたイーヴィルティガはやはりにせウルトラマンではないのである!

イーヴィルティガとなってしまった巨人にも本来の名前が存在しているはずだが残念ながら2020年現在未だに明かされていない。ティガの過去が描かれた劇場版「THE  FINAL  ODYSSEY」でもイーヴィルティガの過去については触れられずじまいであった。

なお、劇場版ではティガがかつて闇の巨人だったことが判明しているので、このティガvsイーヴィルティガの対決は「光の巨人vs闇の巨人」の戦いかと思いきや「元闇の巨人だった光の巨人vs元光の巨人だった闇の巨人」の戦いというこれまた複雑なことになっていた。

変身者マサキ・ケイゴの演者にはダイゴを演じた長野博氏が所属するアイドルグループV6のリーダーである坂本氏が当時キャスティングされていたが、坂本氏のスケジュールの都合によって実現しなかったとの事。もっとも、仮にこのキャスティングが実現していたら「影を継ぐもの」は黒歴史でもないのにまるで再放送できないエピソードになっていただろうが・・・。









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