ウルトラマンの話

劇場版ウルトラマンジード 感想

2018年3月16日

この記事は2018/03/16に書いたものです。

©円谷プロダクション

ウルトラマンベリアルとの激闘を終えウルトラマンゼロが地球を去り、地球に一人のウルトラマンとなったウルトラマンジードこと朝倉リクの新たな戦いを描く本作。

PVで「ウルトラマン失格だ!僕はヒーローなんかじゃない!」とやけっぱちになってたリクですが、本編で大きく成長したリクがこんな状況に陥ることなんてあるかなぁ?と思ってました。

でも「地球にウルトラマンは一人」という歴代シリーズでは当たり前の状況は常にゼロがそばに居てくれたリクにとっては初めての事だったんですよね。

ジードの世界に防衛チームはいませんから劇中でリクが言及している通り「僕が守らないといけないんだ!」と追い込まれてしまう状況だったんですね。ゼロとの二人三脚で頑張っていたジードらしいストーリーです。

そのリクの元に現れたのが新たなる脅威ギルバリス。宇宙の恒久和平の為に生み出されたものの、開発者に反逆し知的生命体を完全に滅ぼそうとする巨大人工頭脳とそれが生み出したロボット軍団が今作の敵となります(GEAR戦士電童? というかですね・・・めっさ余談な上に個人的すぎる話なんですけど・・・その・・・中二病の頃に・・・ですね・・・自分がウルトラマンに変身して・・・侵略者と戦うって話を考えてたことが・・・あの・・・ありまし・・・て・・・ちょうど・・・その頃にスパロボRをやっていたこともあり・・・電童の影響をモロに受けまして・・・侵略者の名前・・・が・・・銀河恒久平和維持システム・・・という・・・ものでして・・・ギルバリスの設定で黒歴史にダイレクトアタックがですね・・・ありまして・・・)

同時にオーブに登場したロボット怪獣ギャラクトロンはこのギルバリスの尖兵であるという事実が明かされる事になりました。パンフレットのインタビューで監督は「オーブの解決していない謎としてギャラクトロンはどこから来たのかというものがありましたので、ギャラクトロンの製造元を倒す話にしました」と語っていますね。

ギルバリス追って前作主人公ウルトラマンオーブことクレナイ・ガイとそのライバルジャグラス・ジャグラーの二人がジードの地球に現れます。

ガイとジャグラーは話にガッツリ関わってきます。リクに対して初めは「よろしくジードさん」と挨拶するも「ん?俺のほうが先輩だよな!?なんて呼んだらいいんだ?ジード?ジードさん?」と戸惑いながらも嬉しそうにしてたり相変わらずラムネと風呂を愛しているガイと彼に対してツンデレライバルポジションを確立させつつも相変わらずの変態っぷりを発揮するジャグラー

ギャラクトロンの正体判明の事もあってオーブの後日談の1つとも言える作品ですね。10エピソード構想のどの部分に当たるんだろう?

ギルバリスとの戦いや先輩ウルトラマンとの交流を通じてリクが見失っていた物を思い出して成長するという王道で熱いストーリーが展開されました。頂戴!頂戴!そういうのもっと頂戴!

そして目覚めたジードの究極の姿、ウルティメイトファイナル。てっきりベリアルアーリースタイルのカプセルでも出てくるのかと思いましたが、最後のカプセルはリクの中から生まれたレボリューションカプセル。そこに描かれたのはウルトラマンジードの姿。力を借りなければウルトラマンになれなかったリクが自分の力でウルトラマンになれた瞬間ですね。

父であるベリアルが持っていた武器ギガバトルナイザーと対になるギガファイナライザーをジードが使うというもの運命を感じます。

ちなみにウルティメイトファイナルのデザインはウルトラマンエースを元にしているらしいですね。

©円谷プロダクション
ウルティメイトファイナルとウルトラマンA

他にもゲストとして本仮屋ユイカさんが特撮初出演。

ギルバリスを生み出し、その反逆によって滅ぼされた惑星。その最後の生き残りを演じています。

でもって監督の趣味でアクションシーンもしっかりやらされている。でもってテレビ本編で慣れっこの他の出演者に負けないぐらい様になっています。すごいなこの人。

ゲストといえばウルティメイトフォースゼロも忘れてはいけませんね。

ジード本編には全く出番がなくて寂しいことになったのですが、本編に出れなかった腹いせの如くゼロ共々ガッツリ活躍してくれました。

そして全てが終わった後の

ジャンボット「(リクを見ながら)誰かに似ている気がする。」

グレンファイヤー「ん?言われてみれば確かに・・・」

ジャンボット「ちょっとやってみてくれないか。ジャンファイト!と。」

リク「え!?えーっと・・・ジャンファイト!

ジャンボット「なにか違う・・・。」

この流れよ。

最後の最後でついに中の人ネタを突っ込んで来たこの展開には劇場で思わず吹き出してしまいました。

ちなみに私だけではなく劇場にいた人たちみんな吹き出してました。パンフレットのインタビューによると当の濱田龍臣さんも台本をもらったとき吹き出してしまったそうな。

わからない方の為に解説するとウルトラマンジードの主役、朝倉リクを演じた濱田龍臣さんは2009年公開の映画「ベリアル銀河帝国」においてジャンポットと共に戦う少年を演じていました。今作はジャンポットとリクが初めて出会う作品になるので中の人ネタを突っ込んできたわけですね。この流れならミラーナイトとグリッドマンの共演もいける!

©円谷プロダクション 「劇場版ウルトラマンジード」より

そして特撮面。

やはりウルトラマンの巨大なスケール感は劇場の大スクリーンに映える!

坂本監督お得意のこだわったカメラは今回も遠慮なく発揮されている他、今回の舞台が沖縄ということもあって独自の文化、建物、町並みを再現しているミニチュアの細かさ。

壊れていく様子まで徹底してこだわり抜かれたミニチュアワークスが素晴らしい。ウルトラマンの戦いの衝撃で瓦が吹っ飛ぶシーンなんて細かいシーンなのにこだわりが感じられておお!すげぇ!ってなりましたね。

沖縄という特殊な舞台で汎用的なミニチュアが中々使えない状況で特撮班が頑張ってくれたおかげで「沖縄にウルトラマンがいる!」という状況が見事に演出されていました(ま、沖縄行ったことないんだけどさ)。

この流れで次は是非とも新潟に!ビッグスワンとか朱鷺メッセとか新潟日報メディアシップを派手にぶっ壊してくれ!なんなら高田城をふっ飛ばしてくれても構わん!

登場怪獣であるギルバリスとその手下のギャラクトロン軍団。

ただでさえカッコよくて強かったギャラクトロンが更にカッコよく強くなったギャラクトロンMk.2

そしてなんと言ってもギルバリスの全身火力のあの感じ!!

劇場版オーブのデアボリックでも思いましたが、メカ!ごちゃ載せ!全身火力!イイ!!これだよこれ!これが嫌いな男の子はいない!やっぱ特撮はこうじゃないと!!

デアボリックのごちゃ混ぜな感じもいいけど、ギルバリスみたいな美しさを併せ持つロボットもいい!!素晴らしい!!

©円谷プロダクション 「劇場版ウルトラマンジード」より

そして味方側の怪獣であるグクルシーサー

久しぶりにでてきた四足歩行の完全新規怪獣ですね。

・・・というかギンガ以降の新規怪獣で四足歩行って初じゃないか?せっかくネクサスの時代に違和感のない四足歩行怪獣の制作方法が確立されたのに四足歩行怪獣って全然出てこないなーと思ってたのでここでの新規造形は嬉しかったですね。

©円谷プロダクション 「劇場版ウルトラマンジード」より

熱いストーリー

こだわり抜かれた特撮

魅力的なキャラクターたち

ウルトラ映画にハズレ無し。

さぁ!劇場版もみんなで見よう!

そいえば、今回は監督総出演のお遊びはありませんでしたね。

オーブの時に全員踏み潰されて、坂本監督まで踏み潰されたらウルトラマンを撮れる監督がどんどんいなくなっていくから自粛したのか?

気になったところ

・各フォームの扱い

現れたギャラクトロンMk.2に対してジード、オーブ、ゼロは次々とフォームチェンジを繰り返して対抗していきます。

と言えば聞こえはいいんですが、実際の映像は一撃与えたらフォームチェンジ、その次も一撃与えたらフォームチェンジという感じな上に変身バンクすらなくカメラが切り替わったらフォームチェンジ済みだった。という状態。見ていた私が思ったのは「在庫一掃処分セールみたいだな」。特に本編最強フォームであったロイヤルメガマスターが何も活躍せず終わるというのはさすがにヒドイ。ロイメガだけに変身バンクがあったのはせめての償いか?変身バンクに関してはリクとガイの同時変身ですら簡略化してましたからね。

この辺は尺の問題もありますしフォームチェンジが無いとそれはそれで批判されそうなのですが、これだったら出さない方がマシだったのでは・・・。

あれ?そういえばジードクローって出てきたっけ?

 

・ウルトラマンXがいない

これも無理して出すぐらいなら今回にみたいにスッパリ出さないほうがいいので「いないこと」自体は批判しません。

が、今作においては「敵が物質をサイバーにに分解できて」「ジードがサイバー化させられて」「オーブがエックスの力を借りてジードを救出」しているわけで、ここまでやるんだったらエックス出してやれよ。と。

オーブによってエックスのアイデンティティが見事に奪われてしまっているわけで、これでは「エックスさんの力、おかりします!」というか「エックスさんの立場、いただきます!」状態。さすがにやりすぎでは。

以上。









-ウルトラマンの話
-,