アニメやゲームの話

宇宙の騎士テッカマンブレード

2019年8月9日

この記事は2019/08/09に書いたものです。

私事ですが、有給消化の夏休みを頂きました。

スパロボWのことを語ったら俄然原作に興味が湧いたので、いい機会と一気観したら・・・

めっちゃハマりました!!

今回はそんなテッカマンブレードのお話。

宇宙の騎士テッカマンブレード

©タツノコプロ

仮面の下の涙を拭え

「宇宙の騎士テッカマンブレード」は1992年にテレビ東京系で放送されたヒーローアニメ。制作はタツノコプロ。

「テッカマン」といえばタツノコプロは1975年に「宇宙の騎士テッカマン」という作品を放送しており、本作は「テッカマンシリーズ」の一作と言える。が、世界観や時系列の繋がりは一切ない完全新作である。

また、制作の経緯としては「宇宙の騎士テッカマン」があり、そのテッカマンに感銘を受けたスタッフによって作成された「DETONATORオーガン」というアニメがあり、そのオーガンに感銘を受けたタツノコスタッフによって制作が始まったというもの。無印のテッカマンから見るとオマージュのオマージュであり、子供と言うよりは孫に当たる作品。ちなみに、こういった経緯があるからかOPアニメーションを担当したのはオーガンの監督を努めた大張正己氏である。

あらすじ

連合地球暦192年。

地球は滅亡の危機にあった。

人類の宇宙進出の夢をかけて製造されたオービタルリングに謎のエイリアン「ラダム」が侵攻してきたのである。

地球の兵器ではラダムに対抗することは出来ず、オービタルリングはラダムに占拠されてしまう。人類の宇宙進出の希望であったオービタルリングは人類を地球に閉じ込めるための檻となり、ラダムの地球侵略が開始される。

ラダムに対抗するすべもなく蹂躙されていく地球。人類は滅亡の時を待つだけであった・・・。

だが、オービタルリングにラダムに立ち向かう白き魔人が現れる。

地球最後の希望。白き魔人。その名は

テッカマンブレード。

作品の最大の特徴はストーリー。

初めこそエイリアンの侵略から地球を守る王道な変身ヒーロー物だが、中盤に判明するテッカマンブレードが背負う過酷すぎる宿命とその宿命に立ち向かうブレードの姿が話題を読んだ。

その過酷すぎる物語を彩る声優陣は主人公テッカマンブレードことDボゥイを森川智之氏、ヒロインのアキを林原めぐみ氏、ブレードのライバルとなるテッカマンエビルを子安武人氏、といった今なお第一線で活躍する実力派声優たちが集結。その熱演も見どころの一つ。

その一方で作画は毎回崩壊している。というか、安定したことがない。

OPアニメと本編の落差もひどく「毎回別人が出ている」「OPに登場した人物は本編に登場しない」などと視聴者からはひどい言われようであった。

とはいえ、当時は今ほど視聴者の目が肥えておらず、色々おおらかな時代だったので問題点として挙げられることは少なく、ファンの笑い話として語られている。

まぁ、過酷なストーリーと声優の熱演の前には作画崩壊など霞んで全く気にならないのだが。

当時の評価

名作と称えられる作品なのだが、1992はアニメ黄金時代でありダイの大冒険、幽遊白書、南国少年パプワくんといった有名アニメの影に隠れ、何よりも放送時の裏番組があの美少女戦士セーラームーンであったことから知名度は非常に低かった。

さらにテレビ東京系で放送された作品でありながら、この作品放送後に制定されたチェック体制に引っかかり再放送もされなくなるなど、埋もれた名作となっていた。

だが、そんなテッカマンブレードに誰も想像しなかった転機が訪れる。

時は流れ2005年

「スーパーロボット大戦J」。

数々の巨大ロボット作品が集結する人気シリーズの当時最新作であったこの作品にまさかのテッカマンブレード参戦が決定したのである。

上述の通り、この作品は巨大ロボット物ではなく等身大変身ヒーロー物である。いうなればガンダム、マジンガーZ、コンバトラーVの中に仮面ライダーが混ざっているような物であり、その異質感は多くのユーザーに突っ込まれていた。が、それと当時に作品の名前広く知れ渡り、見どころであった過酷なストーリーがスパロボ内で再現されたこともあって、これをきっかけに原作に触れる人が現れるなど知名度が大きく向上した。

ちなみに、「人間サイズのテッカマンがどうやって巨大ロボットと戦うの?」、「そもそもガンダムのビームライフルとか耐えられるの?」といった疑問はスパロボ本編では完全無視された。まぁ、原作においても反応弾(簡単に言うと核ミサイル)の直撃で無傷だったし、東方不敗とか衝撃のアルベルトとかいうもっと意味不明な前例もあるし、その前例に比べれば、ま、多少はね?

もっとも、その存在はスパロボ世界でも異質だったようで、とあるモビルスーツのパイロットから「あれはいったいどんな兵器なんだ?少なくとも人が乗り込んで操縦できるサイズじゃないぞ?」と言われてたりする。

スパロボの寺田P曰く、この参戦は参戦作品の幅を広げるため。との事であり、このテッカマンブレード参戦以降「DETONATORオーガン」、「戦え!イクサー1」、「冒険!イクサー3」、「HEROMAN」、「SDガンダム三国志」といった巨大ロボじゃない作品も参戦するようになり実際に参戦作品の幅が広がった。スパロボJはテッカマンブレードにとっての転機であると同時にスパロボにとっての転機でもあったと言える。

主な登場人物

スペースナイツ

外宇宙開発機構を母体とした戦闘部隊。設立者はハインリッヒ・フォン・フリーマン。

民間組織ではあるが地球最大戦力のテッカマンブレードと地球に残された唯一の宇宙船ブルーアース号を有するためラダムに対抗出来る唯一の組織となる。その結成は大統領の認可の元に行われているため防衛軍はこの存在に介入することはできない。

・Dボゥイ / テッカマンブレード(CV:森川智之)
主人公。自分の名前や過去といった記憶をすべて失っており、唯一覚えているのは自分がテッカマンブレードである事とラダムを倒さなければならないという使命のみ。
Dボゥイとはそんな彼につけられたあだ名であり、ラダム殲滅のためには危険すら顧みない「デンジャラス(D)ボゥイ」という意味である。EDクレジットでは回によって「Dボゥイ」だったり「Dボウイ」だったり「Dボーイ」だったりと表記が安定しない。
無口で無愛想な一匹狼だが、根は仲間思いで熱血漢。
担当声優の森川氏にとっては初主演となったキャラであり、熱が入りすぎたのか必殺技のシャウトだけでスタジオのマイクを破壊するという伝説を残した。しかも2回。

・如月アキ(CV:林原めぐみ)
ヒロイン。
ラダムとの戦いで傷つき倒れたDボゥイを保護した事から彼と関わり、次第に相思相愛になっていく。
ヒロインであるが女子力は皆無であり家事よりもデータ解析や格闘術が得意。また化粧に関しても無頓着でありノアルからは「万年すっぴん」とまで言われていた。そんな彼女が香水を使ったことはいつも冷静なフリーマンですら驚きを隠せなかった。
ちなみに名字の如月は本編中では明かされていない。

・ノアル・ベルース(CV:松本保典) 
軍人の父親を持ち、その跡を継がせようとした父の意向で士官学校に入学させられたが、軍の空気が合わず現在の仕事に就く。Dボゥイの名付け親。
斜めに構えた皮肉屋であり周囲の人々がDボゥイをヒーローとして受け入れる中で最後までDボゥイを信じていなかった。が、根はDボゥイと同じく仲間思いで熱血漢であり和解してからは無二の親友となっていく。
お互いに奥手なDボゥイとアキの仲を助けるキューピット役も務めることも多かった。

・ミレッタ・ルルージュ(CV:横山智佐) 
愛称は「ミリィ」。というか作中では愛称でしか呼ばれず、自分も愛称で名乗っているため本名が判明したのは関連書籍である。
スペースナイツではオペレーターを担当。最年少だが能力は大人顔負けである。
Dボゥイ曰く「妹に似ている」との事だったが、後に登場した彼の妹とは全く似ていなかった。Dボゥイも「容姿が」とは言っていないため年齢や雰囲気からの似ているなのだろう。

・本田(CV:飯塚昭三) 
スペースナイツの整備士であり、ペガスや宇宙船の整備、新兵器の搭載を担当する。メカへの愛は本物でありメカを大事にしない者には容赦しない。
スペースナイツの年長者で仲間たちからは「おやっさん」と慕われる。

・レビン(CV:中原茂)
スペースナイツのメカニック。メカフェチのオカマ。
本作の貴重なコメディリリーフであり、Dボゥイの過酷な戦いを見守る視聴者に癒やしを提供してくれる数少ない存在。
劇中でシャワーシーンを披露している。

・ハインリッヒ・フォン・フリーマン(CV:鈴置洋孝) 
オープニングではオールバックだったのに本編ではきのこ頭だった人。
スペースナイツの司令官。常に冷静沈着であり部下からの人望は厚いが、時に冷徹とも言える判断を下すことから(主にノアルに)反発されることもあった。が、根は仲間思いな人情家でありDボゥイに非情な宣告しか出来ないことに苦悩していたり、自分の決断や部下に対しての責任を持つことを知っている良き上官。
新兵器の開発やブレードをブラスターブレードに進化させるなど、優れた科学者であると同時に、防衛軍が強引な手段でテッカマンブレードを接収してくることを予測して事前に大統領に根回ししておくなど政治的手腕にも長ける。自分のメンツに拘らず大局を見れる人物でもありスパイとして潜入してきたバルザックにテッカマンの解析データを渡すことで防衛軍に対ラダム用兵器を作らせたりもした。

・ペガス(CV:飛田展男) 
敵の策略で変身不能に陥ってしまったDボゥイをサポートするために作られたサポートメカ。
テッカマンブレードへの変身補助から戦闘サポートまでこなす。

連合防衛軍

正規軍。しかし、彼らの装備ではラダムには歯が立たず序盤はスペースナイツに頼るしかなかった。

その後、スペースナイツから入手したデータを基に対ラダム兵器ソルテッカマンを開発する。これによりラダムに対抗できる様になったもののテッカマン相手には全くの無力であった。

最後はタカ派の暴走によって自滅、組織として瓦解した。瓦解後は一部のメンバーがスペースナイツに合流している。

・バルザック・アシモフ(CV:堀内賢雄) 
連合軍特殊部隊の少佐。
テッカマンブレードの秘密を暴き、ラダムに対抗する兵器開発のために従軍カメラマンと身分を偽ってスペースナイツに潜入する。そこでフリーマンからテッカマンの解析データを入手し、その功績からソルテッカマン1号機のパイロットに選ばれた。
出世欲に取り憑かれた嫌味な人物でありスペースナイツとも当初は対立していたが後に改心。その後はノアルと共にDボゥイの良き相棒となった。

・コルベット(CV:大滝進矢) 
防衛軍の准将。いわゆるタカ派であり、テッカマンブレードを強引に接収しようとするなど自己中心的で他人を見下す俗物。
スペースナイツの事を良く思っておらず、防衛軍の力でラダムを撃退しようと様々な作戦を立案しては失敗を繰り返す。その内に億単位の人類の犠牲と引き換えに自分がラダムを殲滅して地球を救う英雄になるという妄執に取り憑かれ、最後はその作戦のために用意した大量破壊兵器で自滅した。

・バーナード・オトゥール(CV:池田勝)
防衛軍の軍曹。
 ウイスキーの瓶を常に持ち歩き戦場でも構わず飲酒している。一見すると飲んだくれのダメ軍人だが「戦場では必ず生き延びて仲間を守り続ける」という掟を持つ部下思いの軍人。
その掟はDボゥイにも影響を与え、防衛軍に不信感を覚えていた彼が考えを改めるきっかけになる。
ダニー・ボーイの歌を好みよく口ずさんでいる。

・ソルテッカマン
人物では無いがここに記載。
テッカマンブレードのデータを元に防衛軍が開発したパワードスーツ。地上、宇宙、水中を問わずどこでも活動できるが飛行能力はない。ラダム獣を一撃で葬るフェルミオン砲を持ち、防衛軍念願のラダムに対抗できる兵器であったがラダムのテッカマン相手では無力であった。
2機製作されており1号機はバルザック、2号機はラダム襲撃のドタバタの中でノアルが装着。2号機はそのままスペースナイツに譲渡され、1号機は防衛軍の瓦解後にバルザックと共にスペースナイツに合流した。

ラダム

突如地球を襲撃した謎のエイリアン。尖兵であるラダム獣とそれを指揮するテッカマンで構成される。

・テッカマンオメガ(CV:若本規夫)
ラダムの総司令官。
ラダム母艦と一体化しているために母艦の外に出ることが出来ない。

・テッカマンエビル(CV:子安武人)
母艦から動けないオメガに代わり前線司令官を担当する。
ブレードとは幾度となく激突する。

・テッカマンダガー(CV:飛田展男) 
ブレードが初めて交戦したラダムのテッカマン。
様々な策を用いて一度はブレードの変身アイテムを破壊した。

・テッカマンアックス(CV:島香裕) 
エビルの部下の一人。
ラダムのテッカマンの中では最も格闘術に優れる。

・テッカマンランス(CV:小杉十郎太) 
エビルの部下の一人。
だが、野心を持ちエビルへの下剋上を企てていた。
ブレードがブラスターブレードへ進化した後の初戦の相手であり、お手本のような噛ませ犬っぷりを披露した。
彼が死んだ時、スタジオのマイクも死んだ。

・テッカマンソード(CV:横尾まり) 
エビルの部下の一人。
だが、エビルではなく総司令のオメガに絶対の忠誠を誓っておりエビルからの司令をオメガの司令がない。という理由で拒否したこともあった。

・ラダム獣
テッカマンに使役される怪物。陸戦型と空戦型が存在し、長らく水中行動が出来ないと思われていたが後半に水中型も登場した。
ブレードに瞬殺されるいわゆる雑魚敵ポジションであるが地球の兵器では傷一つ負わせられず、ソルテッカマン開発までは地球側は一方的に蹂躙されていた。
また、物量に物を言わせブレードとソルテッカマンを追い込むことも多かった。

・ラダム樹
ラダム獣が大地に根を張り樹になった姿。
ラダム獣の時は破壊と殺戮を繰り返す人類の脅威だったが、ラダム樹になると物理的に邪魔という以外の実害が無い存在になる。

今見るならdアニメストアで纏めて見放題配信されているのでそれが一番手軽に見れる。

埋もれた名作も手軽に見れるいい時代になったものだぁ・・・。

ところで、DETONATORオーガンはどこで見れますかね?

 ----- 以下 ネタバレ全開の解説 -----

タカヤ!

お前の使命とは奴らに体を乗っ取られたシンヤやミユキをお前の手で倒すことだ!

お前が倒すのは兄でも弟でもない。侵略者ラダムなのだ!

衝撃の真実

中盤にてDボゥイより語られた衝撃の真実。

それは、ラダムのテッカマンはすべてDボゥイの家族や仲間たちの成れの果てである。ということであった。

Dボゥイの本名は「相羽タカヤ」。

土星の衛星タイタンを調査するため父、相羽孝三が船長を務める宇宙船アルゴス号の乗組員として兄ケンゴや弟のシンヤらと共に土星へと向かっていた。

そんな中、アルゴス号の前に所属不明の宇宙船が現れる。明らかに地球のものではない宇宙船を調査するアルゴス号の面々だったが、この宇宙船こそがラダムの母艦であった。

ラダム母艦にて人間をテッカマンへと変える「テックシステム」に取り込まれた彼らはラダムの地球侵略の尖兵へと作り変えられてしまう。

だが、孝三がテッカマンには不適合としてシステムから排出。テックシステムに耐えられなかった孝三の命は風前の灯であったが、最後の力を振り絞ってラダムに精神支配される前のタカヤを救出。上述の台詞と共にタカヤを地球へ脱出させる。

テッカマンでありながら人間の心を持ったタカヤは父の言葉を胸に地球を護るためテッカマンブレードとしてラダムに立ち向かうことを決意する。

しかし、この決意は彼に肉親殺しの宿命を背負わせることになってしまうのであった・・・。

ラダムとテッカマンの真実

ラダムの正体は脳髄のみが大きく発達した寄生虫の様な存在である。知性はあるのだが肉体が貧弱であり極僅かな環境の変化や外的ショックにも対応できないほど脆弱。その為に他の知的生命体の肉体を乗っ取り我が物とする事でこの弱点を補っていた。この肉体を乗っ取る為に用意されたのがテッカマンとテッカマンを生み出すテックシステムである。

テックシステムは強靭な肉体を持つ生命体を見つけるとシステム内に対象を捕縛。その後、対象をテッカマンへとフォーマットし最後に脳髄にラダムが寄生する事で強靭な肉体を持ったラダム人=テッカマンが完成する。

テックシステムの役割を担うのがラダム樹であり、ラダム樹の花がテックシステムの機能を持っている。つまり、ラダムの地球侵略の目的と方法は地球の全域にラダム樹を繁栄させ地球人類を全てテッカマンへと変える事である。

テッカマンは人間サイズでありながら光速に達するスピードと核ミサイルでも無傷な装甲を持つ宇宙最強の戦士であり、武器としては近接用の得物「テックランサー」、体内のエネルギーを一気に放出する切り札「ボルテッカ」が共通装備となる。なお、テッカマンとなりラダムの支配を受けるとラダムの意思にそって行動する様にはなるが元々の人格は残ったままとなる。その一方で一つの感情が肥大し、以前には見られなかった面を見せる様になった個体もいる。

宇宙最強の戦士である為に素体に求められる資質も高い様で、フォーマットに耐えられず不適合と判断された者はその時点でシステムから排出される。一見するとテッカマンにされず助かった様に見えるがこの時点でシステムによって肉体組織は崩壊しており近いうちに死に至る。不適合と判断するには様々なプロセスを経ている様で、取り込んですぐに排出された者からテッカマンとしてフォーマットされた後に排出された者まで存在する。また、排出の際にはシステム側では全く対処をせずに機械的に排出している。結果として地球侵略においては機械的に排出された者たちによってラダムの計画は大きく狂う事になってしまった。

ちなみに一度テッカマンとして完成してしまう(=ラダムに寄生される)とそこから解放されるのは対象が死ぬ時だけである。

なお、この侵略システムは仮にその星の侵略に失敗した場合、その星にテッカマンという最強の戦力を提供してしまうという重大な欠点がある。

ネタバレ有りのキャラクター紹介

・相羽孝三(CV:麦人)
相羽家の大黒柱にして宇宙物理学の教授。
自らが船長を務める宇宙船アルゴス号にて息子達と共にタイタンの調査へを向かうがその途中でラダム母艦に遭遇。息子達とともにテックシステムに取り込まれたが、高齢のためかテッカマンとして適合せず排出された。
その後は残り少ない命を燃やして精神支配を受ける前のタカヤを救出。上述のセリフでラダムと戦う使命を与え地球へと送り出す。
タカヤを送り出した後は最後まで孤軍奮闘しラダム母艦に取り込まれていたアルゴス号を自爆させ自らの命と引き換えにラダム母艦を航行不能に追いやった。
テックシステムが彼を機械的に排出した事によってラダム母艦の航行不能と裏切り者のテッカマンという二つの事案が生じラダムの地球侵略計画は大きく狂う事になった。
タカヤに肉親殺しの宿命を背負わせてしまった人物であるが、家族思いの良き父親でありタカヤにラダムとの戦いを託したのも地球を守りたいという思い以上に家族をラダムの尖兵から解放したいという思いがあったと思われる。
スパロボWでは思念体として登場。タカヤに肉親殺しの宿命を背負わせてしまった事を直接謝罪している。また、クロスオーバーによってある勢力から「始祖アイバ」と呼ばれる事になる

・相羽タカヤ / Dボゥイ / テッカマンブレード(CV:森川智之)
強襲突撃型テッカマン。
相羽家の次男。彼の記憶喪失は嘘であり、自分の素性を知られたくない事と肉親殺しの使命の前に「相羽タカヤ」という存在を捨てるための演技であった。タカヤであった頃は未知との遭遇にテンションをあげてはしゃいだり、ケンゴと婚約したフォンをシンヤ、ミユキと共に祝福しながらからかうなど明るく活発な性格であったが、Dボゥイとなってからは本編の様な物静かな性格に変わっていた。
アルゴス号がラダム母艦に取り込まれ、彼もまたテッカマンへとフォーマットされるがラダムに寄生される前に孝三に救出され人間の心を持ったテッカマンとなる。
しかし、それによって肉親を殺すという宿命を背負う事になった。
更にテッカマンとして完成する前に排出された為、テッカマンとしては不完全であり変身してから人間の意識を保てるのは30分の間だけで、それを超えるとラダムの本能に支配されて暴走する化け物となる。それだけでなく不完全な変身繰り返した事で肉体組織が徐々に崩壊。戦えば戦うほど死に近づく存在となる。その崩壊を乗り越える為にブラスターテッカマンへと進化するがそれによって今まで肉体に来ていた負担が脳に行く様になってしまい、死の危険からは救われるも戦う毎に記憶を失っていく様になる。そして最後には・・・。
肉親殺しというだけで過酷なのに、変身自体も反動が大きい彼の戦いはまさに命がけである。この為、日本アニメ史上最も不幸な主人公と名高い。

・相羽ミユキ / テッカマンレイピア(CV:水谷優子)
諜報索敵型テッカマン。変身バンクでは乳首券が発行されている。ああ、だから再放送が・・・。
相羽家の末っ子。テックシステムによってテッカマンへとフォーマットされるがラダムに寄生される前に不適合としてシステムから排出される。
不完全ではあるがテッカマンへの変身は可能であり、排出後は即座にラダム母艦を脱走。紆余曲折を経て兄タカヤと合流する。
ラダムに支配されていない肉親の生還を喜ぶタカヤであったが、彼女も孝三と同じく肉体組織は崩壊しており余命幾ばくもない状態であった。
最後はタカヤ不在時にスペースナイツ基地を襲撃してきたエビル、ソード、アックス、ランスを止めるべく限界の体を押してテッカマンに変身。しかし、限界を迎えつつある身体でまともに戦えるわけもなく、磔にされ嬲り殺しにされるがエビル達を巻き込んで自爆する。
彼女の脱走によってラダム母艦の所在とラダムの地球侵略方法が地球人に知られてしまう事になった。
孝三はタカヤの倒すべき敵として彼女の名前もあげていたが、そうはならなかったのは幸いであると言える。ちなみに初期案では彼女も敵になる予定だったらしい。また、裏設定によると兄タカヤには兄妹の愛情を超えた想いを抱いている。いいゾーこれ。
スパロボにおいては救済対象でJ、Wの両方で生存フラグが用意されており生存した場合はブレードとの合体攻撃も用意されている(中の人の一致からランページ・ゴーストとか言われてるそうな)。

・相羽シンヤ / テッカマンエビル(CV:子安武人)
多目的汎用型テッカマン。
タカヤの双子の弟であり、幼い頃から何をしてもタカヤに勝てない事にコンプレックスを抱いていた。それでもコンプレックス以上にタカヤの事を兄として尊敬していた為兄弟仲は良好だったが、ラダムに寄生された事でコンプレックスが増大してタカヤに異様な執着を見せる様になる。
母艦から動けないオメガに変わって地球での前線指揮を担当しており、最初は卑怯な策を用いてブレードを排除しようとしていたが、徐々に正々堂々と自らの手でブレードを倒しタカヤを超える事を目標とする様になる。
演じた子安氏は最も思い入れのある役として度々このキャラの名を挙げている。

・相羽ケンゴ / テッカマンオメガ(CV:若本規夫)
司令官型テッカマン。
相羽家の長男でありタカヤたちの兄。フォンの婚約者。
テッカマンオメガとなった後はラダム母艦と一体化しており母艦の外に出ることができず、他のテッカマンの様に人間体に戻る事も出来ない。
ラダムとなった後も親族に対する情は残っており裏切者となったタカヤとミユキには容赦が無いが、シンヤやフォンの事は常々気にかけており、自分が母艦の外に出れないことを悔やんでいた。
最終回でブレードと対峙した際にはその行いを肉親殺しの重罪であると断じた。

・フォン・リー / テッカマンソード(CV:横尾まり)
護衛型テッカマン。
アルゴス号の乗組員でありケンゴの婚約者。タカヤたちにとっては義理の姉になるはずだった人物。
ミユキの提案で土星をバックにアルゴス号内で式を挙げる予定だったが、土星に到着してすぐにラダム母艦に接触してしまった為に式は挙げられずラダムとなる。この事はラダムとなった後も悔やんでいた。
ラダムとなった後もケンゴへの愛情は残っており、むしろラダムの影響で増幅されケンゴを守る為なら自分の身やケンゴの最愛の弟を犠牲にする事も厭わなくなっている。

・ゴダード / テッカマンアックス(CV:島香裕)
近接格闘型テッカマン。
孝三の友人であり電子工学の専門家。でありながら空手、ボクシング、柔道など様々な武術に精通しているという進む道を間違えている気がする男。実際タカヤにも電子工学より格闘技の道の方が似合ってると言われた。
その豊富な格闘技の技術と知識からタカヤとシンヤの師匠となっており2人からはもう1人の父の様に慕われていた。タカヤは彼を信頼し、自分に何かあった時はシンヤの事を託していたが、その願いが皮肉にもテッカマンアックスとなった彼にシンヤ=テッカマンエビルを守るという使命を与える事になった。

・フリッツ・フォン・ブラウン / テッカマンダガー(CV:飛田展男) 
後方支援型テッカマン。
アルゴス号の乗組員。ブレードに最初に送り込まれた刺客。
彼のみテッカマンの必殺技であるボルテッカを搭載していないが、これはラダム母艦航行不能のため新たな拠点を早急に確保する必要があった事と裏切り者ブレード追撃のために戦闘フォーマットを途中で切り上げたから。
テッカマンの正体が判明する前に退場したため彼の人物像は語られていないが、彼を倒したブレードが無言でランサーを強く握りしめるシーンがあり、思うところはあった様である。
担当声優の飛田氏はダガー退場後もぺガスとしてレギュラー出演している他、数多くのモブキャラを担当している。おそらく本作でもっとも多くのキャラを演じた人。

・モロトフ / テッカマンランス(CV:小杉十郎太) 
参謀型テッカマン。
アルゴス号の一員。
相羽家の親族ではなく、フリッツと同じく人物像が全く語られない。更にフリッツの様にタカヤが何かを思うシーンも無いため彼の噛ませ犬っぷりがより際立っている。

余談

過酷でシリアスなストーリーが話題となった本作だが、シリーズ構成にはあかほりさとる氏が名を連ねている。

あかほり氏は要所要所で脚本も担当。あかほり氏といえばお気楽極楽でギャグテイストな明るい作風を得意とすることで有名だが、今作ではそういった路線は完全に身を潜めており、普段を知る視聴者を驚かせた。優れた脚本家は何でも書けるということなのだろう。

一方、あかほり氏が担当したドラマCDでは本編で出来なかった鬱憤を晴らすかのようにギャグ満載となっている。

LDで映像ソフト化した際のCMが酷く、「陰気な大作」とか「ブレードのランサーが唸る時、また家族が死ぬ」とか「今、人生が暗い」とか散々な言われようであった。悲しいことに言葉がひどいだけで何一つ間違ってはいないのだが。









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