ウルトラマンの話

劇場版ウルトラマンタイガ 感想

2020年8月14日

この記事は2020/08/14に書いたものです。

このINABAは5ヶ月待ったのだ!!!

トレギアの陰謀新型コロナウイルスのせいで5ヶ月延期されてしまった劇場版ウルトラマンタイガがついに公開されましたね。

偶々予定が合ったので公開初日に見てきましたよ。

感想

いい映画だった。

(C) 2020 円谷プロダクション

なんと言っても目玉はニュージェネレーションヒーローズ全員集合。

ニュージェネの面々ってなんだかんだ出演してると思ってたけど、考えてみればウルトラマンは登場してても中の人はいないってパターンが多かったんですよね。

それが今回は中の人も含め全員集合。

・一番の先輩らしくトレギアを追う一番危険な役を引き受けるヒカルとショウ。

・持ち前の科学知識でピリカを救う大地。

・劇場版ジードよろしく無法者宇宙人のたまり場に颯爽と現れる風来坊ガイさん。

・父と戦うことになったタイガに同じく父と戦った経験からアドバイスを送るリク。

・自分たちにとって初めての後輩にして同じくトレギアと因縁を持つヒロユキを直接守るべく行動するカツミとイサミ。

とそれぞれ「らしい」行動をしているのが実に良い。過去作のキャラクター性をちゃんと活かしているのが良い。

ニュージェネシリーズを見続けて来た身にとっては同窓会みたいな懐かしさがありましたね(同窓会参加したこと無いけど)。

そして集結したヒーローの同時変身とギャラクシーファイトでも実現しなかった劇場版フォームの総集合。ニュージェネレーションヒーローズの締めくくりに相応しい熱いシーンでしたね。

みんな基本フォームで登場する中、一人最強フォームで登場するオーブになんとも言えない笑いが出てきたのは秘密だ。

まぁ、オーブの場合はオーブオリジンが最強フォームであり基本フォームという異例中の異例なヒーローだから。

そんな先輩たちから力を借りていたヒロユキが先輩たちに力を返したのも印象的。今までのニュージェネシリーズは先輩から力を借りっぱなしでしたが、助けてくれた先輩を今度は自分が助けるために力をお返し。ヒロユキ達の独り立ちを象徴しているようないいシーンでしたね。

テレビ本編では実現しなかったトライスクワッド揃い踏みがついに実現。

タイガが父親と心置きなく向き合えるようにトレギアを引き受けるタイタスとフーマの姿が印象的。

最後はヒロユキも加えて4人の絆でタロウを救うことに成功。トレギアが嫌悪する絆の力をまじまじと見せつけてくれました。

忘れてはいけない今回の大物ゲスト「ウルトラマンタロウ」

トレギアとの策略で闇に落ちタイガとの親子対決を演じることになってしまいましたが、グリムドに大苦戦するタイガを救うために颯爽と現れたり、希望を守るために身を張って息子を守り勝利のための助言をするなど今まで末っ子として可愛がられてきたタロウが父親として貫禄ある姿を見せてくれました。

昭和ヒーローの成長を令和の時代になって見ることになるとは思わなんだ。

そして劇場版でも平常運転のタイタスさん。

タイガの最終回から半年以上経ち、ゼットも放送開始している状態で映画を見に行ったわけですがタイガってこういう作品だったなと思い出させてくれたのは間違いなくタイタスさんですね。

劇場版でも相変わらず筋肉と筋トレをこよなく愛し、ヒロユキに対してもマッスルポーズを取るように指示して敵を撃退させる謎のアドバイス。宿敵トレギアを前にしても筋肉で対抗するタイタスさん。

ああータイガってこういう作品だったなーとタイタスさんの姿を見るたびに思い出しておりました。

そして毎回思うのですが、劇場版だと予算がTV版より多いので特撮が派手でいいですな。いつもよりボリューム多めに作られた建物のミニチュア。そしてそれを派手に破壊していく快感。それが映画特有の大画面+爆音だと実に気分がいい。

ちなみに本作のお気に入りのシーンはグリムドがタイガの背後から建物を破壊しつつ派手に飛びかかってくるシーンです。

今回は80分枠の上映時間で実質上映時間は70分程度ですが、ニュージェネ大集合で次から次へと見どころがやって来るので非常に濃い映画になってましたね。よくもまぁ、あれだけの要素を70分に詰め込んだものである。

気になる所

ただ、全体で見れば濃い映画なのですが一つ一つの要素を分解していくと薄かったりあっさりしていることが多いのは気になりましたね。

特に気になった点は

・グリージョ登場の唐突感

終盤にギンガビクトリー、ベータスパークアーマー、オーブトリニティ、ウルティメイトファイナルが大集合の中で、前触れもなく唐突に現れた湊アサヒことウルトラウーマングリージョ。これによりロッソ、ブル、グリージョの3人でグルーブに合体するわけですが明らかにグルーブを出すためだけに出てきた感しかなかったですね。グリージョはグルーブのパーツか。グリージョだってニュージェネヒーローズの一員なんだからもっと活躍の場を与えてあげてほしいです。回復バフ要因っていう他のヒーローにない良い個性あるんだからさ。ギャラクシーファイトでもグルーブを使わせないために誘拐されてましたからね。

更に言えばその前のロッソとブルの「じゃあ・・・俺たちはルーブに・・・」っていう「折角だから」感半端ない会話もなんとかならんかったのか。よくある感じで「俺たちも続くぞイサミ!」「オッケー!カツ兄!」って感じでルーブになってれば普通に熱いシーンになると思うのですが。

・光線を撃つマシンと化した劇場版フォーム達

劇場版フォーム大集合のインパクトで見てる時は気にならなかったのですが、よくよく考えてみたら劇場版フォームになってから「光線を撃つ」しかやってない・・・。

ギンガビクトリーを除いてみんな近接戦闘で映える近接戦闘で武器持ってるんだからもう少し肉弾戦があった方が良かったなー。

あとPVだと6人で同時に光線発射してるシーンがあるように見えて、その実は3人ずつだったという微妙なPV詐欺ね。

・タロウの助言の説明不足感

強大な力を持つグリムド完全体に対抗するべく全員の力をタイガのウルトラホーンに集めるんだ!と助言するタロウ。これによりウルトラマンレイガが誕生するわけですが、このシーン古参ファンは意味を理解できますけど、今の子供達って「タロウ物語」知ってるのかなぁ?確かにかつてタロウは強敵グランドキングに対抗すべく、自らのウルトラホーンにウルトラ6兄弟のエネルギーを集めてスーパーウルトラマンになった経験がありますが、この描写がされたタロウ物語ってもう30年以上前の作品だしそれこそタイガからウルトラマン見始めたって人にはさっぱりわからん助言だったなーと。

タイガのウルトラホーンに全員のエネルギーを集めるんだ!って言いながらかつて自分がエネルギーを分けてもらった時の回想シーンを流すとかすれば分かりやすかったかな。

あとはなかなか難しい所で本作初登場の究極のウルトラマン「ウルトラマンレイガ」の出番があっさりし過ぎてるなーと思いました。

ただこれはニュージェネ総動員でまるで敵わなかったグリムド完全体をあっさり倒せる程に強い。という強さの証明にもなるので一概に不満点とは言い難いところ。これで良かったとも思うし、サーガvsハイパーゼットンとか前作のグルーブvsトレギアを見た身としてはもっと激しい戦闘をして欲しかった感もあり。難しいところですね。

(C) 2020 円谷プロダクション 「劇場版ウルトラマンタイガ」より
全てのニュージェネウルトラマンレイガの融合で生まれた究極のウルトラマン ウルトラマンレイガ

結局のところ、70分にするには要素が多過ぎたんですよね。むしろその多すぎる要素をしっかり纏めたところが凄いと私は思います。

ただ・・・個人的にはっきりと不満と言えるのが

結局トレギアは何だったの?

という所。

前作の映画ボスとして鳴り物入りで登場し、そこでは倒しきれず生存。そしてタイガのメインヴィランとして登場。同時にM78星雲出身の身でウルトラマンタロウの親友、そして闇に堕ちたという衝撃的な設定が明かされ、タイガ本編でも倒しきれず、多くの謎を残して劇場版へ続いた。

ならば私としては劇場版に求めていたのは今まで残された謎の回答でした。

・なぜトレギアはタロウと袂を分かち光の国を離れたのか。

・なぜトレギアは闇へと堕ちてしまったのか。

・なぜタロウ本人ではなくタイガを狙ったのか。

・なぜ散々タイガを狙っておいて、劇場版ではタロウに狙いを変えたのか。

ていうか結局お前何がしたかったの?

劇場版R/B、タイガ、劇場版タイガ、ギャラクシーファイトと登場2年で既に多くの作品で黒幕として(書籍で語られた部分も合わせるとR/B本編、劇場版オーブでも)暗躍しまくりですが、残酷な「手段」を延々と見せつけてくるだけで、その先にある「目的」が全く見えてこない。黒幕としてあれだけの事を起こしたのだから、起こしたことに対して説得力のある「目的」、「動機」は示して欲しかったなぁと。もし、それが無いんだったら壮大な設定を与えられただけの愉快犯クズ野郎だし、タロウはそんなクズと友人だったのか?って話になる。

ギャラクシーファイトで「光と闇が等しいことを証明したい」と語ってましたが、それも「なんで?」の部分が全く語られないので消化不良しかない。

結局の所、色々すごい設定は与えられながらもしょうもない小悪党で終わってしまったなという感じでした。

まぁ・・・その辺は書籍の方で語られてるんですけどね。円谷プロも映画を見る前に読んでくれって宣伝してましたし。

しかし、それはそれで物語の重要な部分を本編じゃ無いところで語ってもなぁって言うのが正直な感想。あの内容を組み込んで劇場版を作ってほしかったなぁと思いますね。この辺はタイガ完結よりもニュージェネ集合を重視した結果なのかなと思っております。トレギア物語のOV化待ってます!

同じ悪のウルトラマンであるベリアルも映画終了後にOVやジードで補完されたし、トレギアも今後映像本編で補完があるかもなのでそれに期待ですね。あ、でもグリムドが葬られたことでトレギアの不死性は無くなったし、ベリアルみたいに必死に復活させてくれそうな仲間もいないし、詰んでねこれ?ヴィランズが悪用を考えてもトレギアよりベリアルの方を選びそう。融合獣作れて便利そうだし、復活に必要な因子を持っている人物がはっきりしてるし。かと言って近年の円谷プロのやり方的にこのまま再登場させないとも思わないし、トレギアの今後はいかに!?

(C) 2020 円谷プロダクション
結局お前なんだったの?
 

最後に私事なんですが

例年だと仕事の関係で公開されてから1~2週間後に見に行ってたんですが、その頃には映画館スッカスカなんですよね・・・。正直ほんとにウルトラマンって今も人気あるんだろうか・・・と不安になってました。

今回は予定が合って公開初日の第一回目に行ってきたのですが劇場は大賑わい。座席も殆ど埋まっていて私みたいなおじさんから壮年の方、子供連れのご家族様など老若男女様々なお客さんがいて世代を超えたウルトラマン人気を再確認できました。映画終わった後に売店でニコニコしながらレイガのソフビ買ってるご家族がいて、こうやってウルトラマン人気って受け継がれていくのかなぁと感慨深かったですね。

現在放送中のゼットはとてもいい滑り出しで毎回楽しいし、来年の映画もたのしみですなぁ!!!









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