ウルトラマンの話

邪悪生命体ゴーデス

2020年10月19日

この記事は2020/10/19に書いたものです

邪悪生命体ゴーデス

邪悪生命体ゴーデスはウルトラマングレートに登場する怪獣にしてグレートの宿敵。そして物語前半の黒幕である。

宇宙の全ての生命体を自らに取り込み、滅ぼすことを目的とした(正に名前の通り)邪悪な存在。

グレートの故郷もゴーデスによって滅ぼされたと原語版では語られている(吹き替え版では特に語られておらず、グレートの出身地もM78星雲ウルトラの星であると明言されているため詳細は不明)。

第一形態

(C) 円谷プロダクション 「ウルトラマンG」より

第一話のオープニングに登場。

剥き出しの脳に巨大なナメクジみたいな胴体という異様な外見を持ち、二本の長い触手を武器としている。ウルトラ怪獣とは思えない様な気持ち悪さであるが幸いにも(バナナマン日村の様な)その顔はどこか愛嬌を感じるデザインであるためネクサスのスペースビーストに比べればマシ・・・か?

火星調査に来ていた主人公ジャック・シンドーと友人スタンレー・ハガードの前に出現。その後、ゴーデスを追って現れたグレートと交戦。戦闘では二本の触手を巧みに操りグレートを気絶へと追い込むと、脱出の準備をしていたスタンレーの乗った宇宙船を破壊し彼を殺害。その蛮行に怒り立ち上がったグレートの猛攻を受け敗北する。

しかし、その存在は完全に消滅しておらず「ゴーデス細胞」となってオーストラリア大陸へ降り注いだ。

ゴーデス細胞

グレードに敗北したゴーデスが自らを細胞化して地球へ逃走した姿。細胞は緑色をしており、一つ一つがゴーデスの意思を持っている。この為取り憑いた存在を自由に操る事が可能。また、生物を怪獣化させることも可能でありストーリー前半に起きる事件および登場する怪獣は全てゴーデス細胞が原因となっている。

当然、人間に取り付くことも可能で、劇中では少年に取り憑いてコピーを生み出したり死亡したスタンレーに埋め込むことでゴーデスの傀儡として復活させるなどして利用している。

オーストラリア大陸へ降り注いだ細胞は自らが生み出した怪獣バランガスによって回収、一箇所へと集められ再結集。ゴーデス第二形態として復活するに至る。

ちなみに生物だけでなく少年の怨念や神様の魂に取り憑くなど、なんでもありな無茶苦茶な細胞である。

第二形態

(C) 円谷プロダクション 「ウルトラマンG」より

第6話「悪夢との決着」に登場。

前述の通り一箇所に集められたゴーデス細胞は卵となりオーストラリアの火山の中に潜伏。そこで地球の地熱やオゾン層を破壊して太陽光線を直接降らせることで孵化の時を待っていた。

防衛チームUMAは慎重に事を進めようとしていたが、軍によるUMA乗っ取りと空軍の総攻撃によって火山に大量のミサイルが撃ち込まれた結果、そのミサイルの熱量を利用してついに蘇った。

第一形態に比べると顔は人間らしく厳つくなり、なめくじの様だった胴体はミミズを思わせる様な長身に、特徴的だった二本の触手は短くなった代わりに数が増えている。

宿敵と決着をつけるべく現れたグレートとの戦いでは「ありとあらゆるエネルギーを吸収する」という特性によってグレートが怒涛の勢いで撃ち込んだ光線を完全に無力化UMAも援護したいが、攻撃すれば敵に餌を与えるというジレンマに陥りまるで手出しができず、そのままグレートを圧倒

そして遂には超能力でグレートを捕らえ、自らの体内へと吸収してしまう。そして体内のグレートに対しこれまで倒してきた怪獣の幻影を見せて不毛な戦いをさせて消耗させるという狡猾な手段を見せた。

一方でゴーデス自身はグレートと一体化しているジャックと対話。そこで、地球人類の愚かさと自らの行動によって地球、そして宇宙は救われると語るがそれを聞いたジャックからは「全てを滅ぼした後でお前はどうするつもりだ?友達も何もない世界でたった1人で生きていけるのか?」と指摘される。

全てが終わった後の虚無と孤独。今まで考えたこともなかった事実を突きつけられてゴーデスは動揺。その一瞬の隙をついてグレートはゴーデスの体内より脳天を突き破りながら脱出。それによってゴーデスの体も爆発四散し、今度こそ完全な決着がつけられることになった(字幕版では流れが違い、ジャックは指摘ではなく「お前はどこの星に行っても滅ぼすことしか知らない哀れな奴だ」と挑発。それに怒ったゴーデスが取り乱した瞬間を狙ってグレートが体内から脱出している。どちらにせよ決め手になったのはジャックの一言であり、メンタル面が弱いのでは?疑惑が持ち上がっている)。

なぜ前回の様にゴーデス細胞にならなかったのかは不明。人間もゴーデスも頭部が弱点と考えるならグレートが脳天を突き破りながら脱出した時に完全に活動が停止していたのかもしれない。あるいはジャックに指摘されたことで細胞化して活動を続ける意味を見出せなくなっていたのかもしれない(字幕版ではこの解釈はできないが)。

余談

元々決定稿として上がっていたのは第二形態の方で、第一形態はそれよりも弱そうな奴としてデザインされたという経緯がある。

ウルトラマンGのストーリーにおける超重要キャラであり、グレートにとっては宿敵であるがその決着は中盤に着けられる。元々ウルトラマンGは全6話の予定で、現地の放送に合わせて13話まで伸ばしたという経緯があるため、元々はゴーデスがラスボスになる予定だったと思われる。この為、制作スタッフはゴーデス以上のラスボスを用意する必要に迫られたと思われるが、結果として環境汚染問題を全面に押し出したウルトラマンGにとってこれ以上無い存在が登場することになる。

第二形態で敗北の決定打になったのはジャックの言葉であるが、そもそもの敗因はグレートを体内に取り込んでしまった事である。

元々グレートの光線を全て無効化してエネルギーに変換するというアドバンテージがある上にグレートには時間制限もあるので、決定打が与えられないグレートに対しひたすら時間稼ぎの消耗戦を仕掛ければ完封できたのである。むしろ、体内に取り込んでしまった事で脆い内側からの攻撃というグレートになかったはずの勝ち筋を与えてしまったのはゴーデスのミスであると言わざるを得ない。

すべての元凶にして、その細胞が新たな怪獣を生み出し、最終的に一つへ戻った。これらの特徴はウルトラマンネクサスに登場したスペースビーストとネクサスの前日譚であるULTRAMANに登場したザ・ワンとの類似点を見いだせる。

もっとも、一つに戻った際に第二形態へ進化したゴーデスに対してスペースビーストはザ・ワンへの再融合を目指した結果イズマエルという全く違う存在になっている。









-ウルトラマンの話
-, ,