ウルトラマンの話

「ウルトラマンデッカー - 最終章 旅立ちの彼方へ…」 感想

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以下、ネタバレだらけの感想

 

それぞれの道

ムラホシ隊長は教官へ戻り。

カイザキ副隊長は新設される怪獣出現予測研究科の所長に。

イチカは念願の宇宙飛行士。

リュウモンはGUTS-SELECTの次期隊長。

それぞれ自分の道を見つけてGUTS-SELECTもそれに伴う新規隊員の補充や次期隊員の育成をしたりと新しい道へ進む準備も始まっている。

これらの道がテレビ本編の事をしっかり踏まえているのが良き。特にカイザキ副隊長の怪獣出現予測研究って道はシゲナガ教授との一件がしっかり反映された結果だよね。安易な怪獣との共存ではなく怪獣の出現を予測してなるべく接触の機会を減らす。それがカイザキ副隊長が出した結論だったわけだね。

それからムラホシ隊長が教官をやっていた理由として「共に戦う仲間が欲しかった」っていうのも、どんどん軍縮が進む中、一人危機感を持ち防衛への備えを訴え続けていたムラホシ隊長ならではの重みのある一言だね。

一方、自分だけ道を決められないカナタ。劇場版R/Bのカツミも自分の道が見つからずに悩んでたけど、カツミがやりたい事が見つからない悩みなのに対し、カナタはやれることが多すぎて絞れないって感じ。だからカナタも悩んではいるけど焦りとか悲壮感は無くて、むしろ楽しい悩みって感じだった。デッカーの明るさ、前向きさがよく出ている。あと宇宙せんべいが火星に進出することが決まった模様。デッカーさんの語っていた未来に近づきましたなw

あとカナタが進路を考えている時にリュウモンがお前は部隊に残るんじゃなかったのか。って言ってるけど、お前は俺と一緒に残ってくれるんじゃなかったのかよ。って感じでちょっとふてくされてる感じがしたのが可愛かったw

でもって、そんなリュウモンには今回試練の時が訪れる。本編ではどんな状況でも的確にこなしていたリュウモンがあそこまで弱々しくなる姿は想像できなかったな。それを一人で抱えずにみんなで乗り越えていこうってのが実にデッカーらしい話だった。

 

ディナス

新たなウルトラマン。ウルトラマンディナスと変身するラヴィー星人ディナス。

カナタよりも長く戦っている歴戦の勇士。でありながら弱いw元々ラヴィー星人は戦いに不向きということは語られていたけども、実際に戦ってみると確かに弱いw

ウルトラマンの格闘って一撃の重さを表現するために、スローモーションとか多用するんですけどディナスはそれが殆どなくて一撃が軽いんだろうなってのがよく分かる。デッカーに比べると構えの時点で腰が引けてるというか力が入ってないというか。そんな感じだったものね。

それを怪獣の力で補うっていうテクニカルタイプなウルトラマンだけど、それなのにガチガチのパワー系怪獣であるキングジョーと戦わされて相性不利やなぁと思ったら、同じくテクニカルのイカルス星人相手でも大苦戦。元々戦闘力自体が弱いウルトラマンなんだなぁ。おかげでギベルスからはウルトラマンのなりそこないとまで言われてしまってけど、それでも誰かの大切なものを守るっていうウルトラマンの心は人一倍。その思いにカナタも動かされたわけだしね。たとえ戦闘力が弱くても彼女は紛うことなきウルトラマンですね。あとは同じく怪獣の力を借りるビクトリーやエックスと共演して鍛えてもらえば一気に成長しそう。あとはコスモスとも共演してほしいなぁ。ムサシが理想としていた怪獣との共存を苦労なく達成しているわけだものね。色々気が合いそう。

あとゼットン、エレキング、ケルビムに混じってガギのカードを多用してたのが面白かった。ガギのバリア能力をこんなところで見ることになるとはねぇ。

 

ギベルス

スフィアバリアが無くなったのをいいことに火事場泥棒的に地球侵略を企てたのかと思いきや、むしろスフィアを打ち破る地球人に敬意を示して、コイツラなら最高の素材になりそうだという動機。

侵略を実験って呼ぶのが素晴らしいマッドサイエンティスト感。最も美しい侵略を研究しているってのも歪んだ美学を感じる。

日本を電撃的に制圧して、日本人全員を人質にするってのも今までになかった狡猾な作戦だね。

しかしねぇ、わたしとしては、テレビ版で全宇宙の厄災であるスフィアを見ている立場にいるのだから……

どうしても本編のスフィアが時空を越えて様々な時代、様々な星を滅ぼす厄災というとんでもないスケールの大きさだったのでどうしても影が薄い。ぶっちゃけ感想に困ってるwまぁ、ここはスフィアとアガムスが印象的すぎたせいだけど。

本編がスフィア打倒を通してカナタ達が絆を結び成長していく話だったのに対して、カナタが自分の道を見つける物語で、その道を見つけるきっかけになるのがディナスとダイナで、そのディナスを出すための驚異としてギベルス。って感じだったからスフィアに比べるとカナタとの因縁もあまりないし、劇場版の新タイプはおろか本編最強のダイナミックタイプすらなく打倒できてしまったので、どうにも印象が薄い感あり。

ギベルスが変身してたギガロガイザとゾルギガロガイザはめっちゃかっこ良かったんだけどねぇ・・・。

 

宇宙人軍団

古今東西様々な宇宙人が登場。

ニュージェネには登場していなかったグローザ星系人やら、レア物なヒュプナスだったり怪獣倉庫に残っている使えるマスクを総動員した感じw

あと頭部だけが見つかったって事で登場していた宇宙帝王はついに胴体の方まで新造されたんですねw

これは次回作で宇宙帝王とウルトラマンの戦いが見れるか?w

イカルス星人はすっかりイカイカいうキワモノ星人になっているけど、考えてみればこいつ異空間を操る系の宇宙人だったな。すっかり忘れてたw

そして異星人軍団と言えば、ナイゲル局長とグレースさんの再登場。本編でも最終回で出てきてくれないかなって思ってたけど、このタイミングで出てくるとは!しかも絶体絶命のGUTS-SELECTを救うためというのが熱い。ピット星人ユウコは出てこなかったけど、さすがにこの状況でユウコ出てきても何も出来ないし交流記の方で食堂勤務なの語られてるしね。

 

ウルトラマンカナタ

ギガロガイザとの最終決戦でテラフェイザーに乗るカナタ。アガムスが残したテラフェイザーにカナタが乗るってのが熱い!そしてそのテラフェイザーを使ってかつてアガムスがカナタを守ってくれたように、ディナスを守るってのも熱い!でもって、自分を守って命を落としたカナタに対してかつてダイナが自分を救ってくれたようにディナスが光の力でカナタを救ってくれたのも熱い。かつて自分がしてもらったことを誰かに繋いでいくってのがいいねぇ。

そしてディナスがウルトラマンとなったように、ディナスに宿るダイナの光とカナタの光、GUTSの仲間たちの光が一つとなって、カナタのディーフラッシャーが生まれる。今までデッカーさんから借りていた借り物の光ではなく、自分自身の光でウルトラマンになった。ここで名実ともにカナタはウルトラマンとなったんだなぁ。

この時のカナタの上で手を重ねるみんなの姿がGUTS!Sally, Go!って言いそうな感じでしたねwでもってみんなでG.I.G.!デッカー!って叫びそうなwメビウスのあのシーン大好きなんですよw

今回のデッカーはフラッシュタイプだけでタイプチェンジもダイナミックタイプも無かったけど、今までのタイプチェンジはあくまでもデッカーさんから借りていたものだから「デッカーの力」であったタイプチェンジは持っていないって事かな。で、ダイナミックタイプもカナタの光とデッカーさんの光の複合だったから今回は使えなかったと考えられるね。

そういう意味では今回のデッカーはウルトラマンデッカーではなく、ウルトラマンカナタと言うべき存在だったのかな。デッカーさんのほうがカナタより長く戦っているわけだし、今後カナタが改めて戦闘経験を積んで成長していけばタイプチェンジも解禁されるのかな。

 

受け継がれる光

断片的だったけど、ディーフラッシャーがどうして生み出されたのかが語られまして、ダイナがディナスを自らの光で治療した時に、ダイナの光にディナスがもっていた光に反応してディーフラッシャーが生まれた。どうもダイナが強い光を持つ者と接触するとダイナの光を元に新たなウルトラマンが生まれるみたい。

てことはデッカーさんもディーフラッシャーが生み出されるぐらい強い光を持っていたってことだね。カナタの子孫なら納得。ダイナ、デッカー、ディナスが似ているのはダイナから生まれた存在だったからてことだ。

しかしアスカは光として戦い続けた結果、新たなウルトラマンを生み出せるほどに光が強くなっているんやな。人間には危険というM78星雲の中を問題なく歩き回れてたし、どんどん人間やめて光の化身になりつつあるんだね。ネクサスで語られた「光は絆だ。誰かに受け継がれて再び輝く。」を体現する存在になってますな。

あと、翌々考えてみたらテレビ本編でも最終章でも一度もアスカって名前には言及されてないよね。みんなダイナって読んでる。メタいことを言えばダイナ=アスカって事を説明している尺が無いのかもしれないけど、アスカは行く先々で自分のことをダイナって名乗っている可能性もあるわけだね。この辺もアスカが人間を止めてウルトラマンとして生きているって考えられる所なのかも。

 

旅立ちのカナタへ

太陽系の外に出た先遣隊を追って宇宙に出たナースデッセイ号。

その艦長を勤めたのが・・・カナタでした。

今回の戦いで己のやるべきことを見定め、宇宙に行くことを選んだ模様。

しかし、ナースデッセイ号が宇宙にいくのが半年後って言われてたから、その僅か半年の間に宇宙飛行士になって艦長にまで上り詰めたわけだね。持ち前の努力で奮闘したんだろうなぁw

こうしてサブタイトルの通り、彼方へと旅立っていったわけですが、アスカが一人で悲しい旅立ちだったのに対して、カナタは仲間とともに希望に満ちた旅立ちだった。そして、二人共ウルトラマンとして誰かの大切なものを守るために戦う道を選んだわけだね。

カナタがデッカーになった時の演出的にカナタは人ではなく光になったみたいな感じがしたから、これはもうみんなの中に戻れなくなるんじゃないかって思ったけど、相変わらずみんなの中にいられてよかった。人になった光のケンゴがみんなの中で生きれるなら、光になった人もみんなの中で生きられるか。

しかし、デッカーにディナスと頼れる後輩が生まれたわけだし、そろそろアスカは一息ついてもいいんじゃないかな。まぁ、アスカのことだから楽しんでやっているとは思うけどそろそろハルキみたいに里帰りしてもいいんじゃないかね。

 

ケンゴ達

本編にあれだけ関わってきたケンゴを始め、旧GUTS-SELECTの面々は劇場版に関わらないのかーって思ったら、宇宙開発がどんどん進み、ケンゴ達はその先遣隊として太陽系の外に行っていたことが判明。

地球圏どころか太陽系にいなかったから今回不参加だったわけですね。

宇宙開発時代をうまく活かしておりますね。しかし、これによってトリガーもデッカーも地球からいなくなったわけなので、ギャラファイに参戦させる準備はバッチリですね?いつでも心置きなく誘拐できますよタルタロスさん!

 

総評

面白かった!!

まさに未来へ向かって前へ突き進むデッカーらしい最終章だった。同時にTVシリーズから語られたウルトラマンデッカーという物語の結末であり、ウルトラマンデッカーとなったカナタの始まりの物語でもあった。

ウルトラマンとしてのカナタの物語はここから本当に始まったわけで、その始まりに現れたのがディナスだった。まさに始まりのディナス。だね。

展開のテンポも良好でサクサク進んでいくから中だるみもなくて見やすい映画だった。一方であっさり目に終わらせている部分も多々あるからそこが物足りなさを感じるかも。ここはテンポとの二者択一になるからなんとも言えないところ。エピソードZがとことんケンゴを掘り下げた作品だったからなおさらそう感じるのかも。これはどっちがいい悪いではなくて作り方の違いやね。

 

特典映像

劇場版ではハネジローのナレーション付きテレビシリーズのダイジェスト映像。

TSUBURAYA IMAGINATIONではカナタとディナスのインタビュー映像とサプライズ映像。

先にTSUBURAYA IMAGINATIONで見てから劇場版を見たんだけど、ダイジェスト映像はデッカー本編の物語を伝えるというよりは、劇場版にこういうシーンがあるからここを紹介しておくのね。って感じで初見の人でも劇場版のエモいシーンがわかるようにしたって感じだった。

カナタとディナスのインタビューは真面目な話も面白い話も色々出てきてとても楽しいお話だった。イカルス星人の関さんはアフレコでアドリブ入れまくってたんだとか、断末魔のイカー!ってのもアドリブだったのかなw

そしてサプライズ映像。今年もありました新作ウルトラマンの発表!と言っても、デッカーの時は姿も名前も公開してたけど、今回はウルトラマンのシルエットと劇中のセリフがちょこっとあっただけで本格発表は4月とのこと。トリガーが一番最初にティガと一緒にシルエットが公開されたあの感じに近い。まぁ、デッカーの時はTSUBURAYA IMAGINATION会員限定特典にしたのに速攻でネットに拡散されまくったからなぁ・・・円谷プロとしても流石に勘弁してくれやってなったのかなぁ。

にしてもシルエットしか無いけど、ウルトラマンのデザインはなかなか攻めた感じになりそうだし、聞こえてくる劇中のセリフはトリガーやデッカーとは違った感じの作品になりそう。ニュージェネガイアでもないっぽいのは残念だけど、映像の感じからはガイア、コスモスを通り越してネクサスのようなハードな感じがしたし、ワクワク感は凄い。早く本発表が見たい所。









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